2010年6月3日
【セブン-イレブン流感情経済学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419343
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本日の一冊は、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文・代表取締役会長兼CEOの心理学経営の真髄を、フリージャーナリストの勝見明さんがまとめた一冊。
正直、最初の70ページほどは退屈な内容で、読むのをやめようかと思ったほどですが、70ページ以降は、行動経済学の理論と、それを生かして成功した例が載っており、参考になります。
「少数の法則」にはまり、縮小均衡に陥るお店、「確率の無視」により間違った品揃えをしてしまう店舗、いずれも心理学的な罠に陥り、正しい意思決定ができなかったことの例ですが、本書には、どうすればこうした罠にはまらずに済むか、そのヒントが示されています。
また、「キャッシュバック」や「還元セール」、アイテムを絞り込んで売ることなど、心理学的に効果のある売り方についても述べられており、じつに参考になります。
お客様の購買行動は、ほんの些細な言葉遣いでも変わるもの。
本書はその点をふまえ、どんな言葉が購買に影響を与えるのか、その点まで突っ込んで書かれています。
マーケター、経営者は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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なぜ、顧客の手が伸びるのか。陳列量を増やし、フェースを目一杯とることで視覚的なアピール力が高まり、顧客の衝動買いが起きるからです
人間には自己差別化したいと思う心理と同時に、人と同じでありたいと思う心理の二面性があります。この心理が刺激されると、衝動買いが起きます
実際に試してみると、ボリューム陳列をしたほうが販売量も増え、廃棄ロスも減るという結果が出ています。また、多めの発注をすることで、機会ロスも減ります。一方、廃棄ロスを恐れて消極的な発注を行い、二?三個だけ置いても、顧客にその商品を認知してもらうことはできません
人間は目に見えない得られるはずの大きな利益より、目に見える実際の損失のほうを大きく感じてしまう。だから、どうしても廃棄ロスばかりに目を奪われ、悪循環にはまってしまう
いま来店している顧客が買った商品を次の日も揃えれば、また買ってくれるかもしれない。しかし、同じ品揃えが続けば、マンネリ化し、これまで来店してくれた顧客も離れていく。「少数の法則」に陥る売り手は、縮小均衡に陥らざるをえない
週に一本しか出ない酒でもそれを求める固定客がいる限り、店頭に並べておくといった考えを持ち続けるケースもある。確率的には売れ筋といえないのに、買ってくれる顧客がいると、世の中の顧客の「代表」であるかのように考え、その求めに応えるのが商売のあり方と思い込んでしまう。「確率の無視」と呼ばれるヒューリスティクスだ
人間はいったん自分の考えが固定化してしまうと、それを裏づける情報やそれに沿った情報ばかりを集めて確証を得ようとする
人は「しなかった後悔」より、「してしまった後悔」を回避しようとする
人は長期的には逆に「しなかったこと」を後悔するようになる
売り手はヒューリスティクスとそのバイアスから脱した仕事の仕方をしながら、買い手に対してはヒューリスティクスとそのバイアスに合わせた売り方が必要になってくる
一万円の商品を八〇〇〇円で買うのと、一度払った一万円から二〇〇〇円が現金で戻ってくるのとでは感じ方が違います
顧客は「してもらえなかった不満足」を大きく感じる
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『鈴木敏文の「話し下手でも成功できる」』プレジデント社 勝見明・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419343
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◆目次◆
I部 話し下手でも成功できる
II部 商売は感情で動く
III部 自分の中の「保守的な心理」を克服する
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