2008年3月31日
【今、二宮尊徳が新しい】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877951008
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本日の一冊は、沖縄県の石垣島にある、山田書店という本屋さんで見つけた一冊です。
著者の石川佐智子さんは、公立中学校教諭として15年間勤務した後、子育てをしながら家庭児童相談員、PTA役員などを経て、教育評論家として活躍する人物。
本書では、二宮尊徳の言葉を紹介しながら、現在の日本が失った経済とモラルを調和させる実践哲学を説いています。
念のために紹介しておくと、二宮尊徳が活躍した時代は幕末で、多
くの藩の財政が破綻し、過酷な年貢の取り立てにあえぐ農民たちが
貧困と飢餓で勤労意欲を失っていた時代。
二宮尊徳はそんな中、優れた指導力を発揮し、生涯で計620カ所の
町村の財政再建に成功。多くの農民たちを救う偉業を成し遂げたのです。
では、その尊徳の再建手法とは一体どんなものだったのか。それは
意外や意外、「まず人の心に種を蒔き、人の道を教え諭すことから
始め」たということです。
本書には、その尊徳が教え諭したという珠玉の言葉が散りばめられ
ています。いまや個人も国家も借金大国となった日本において必要
な考え方が、ズバリ言い表されているのに注目です。
富と人間性を両立させるために必要な考え方とは何か。本書を読ん
でぜひ考えてみたいものです。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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あの柴木を背負い、寸暇を惜しんで読書しながら山道を歩く少年金
次郎の姿は、貧しくても親を助け、勤勉努力をすれば必ず立派な人
になれるのだと、無言の励ましを子供たちに与えていたのです
昼は伯父の仕事を懸命に手伝い、夜は遅くまで父が残した儒教や経
済学の書物を読み、伯父に灯油が減ると叱言をいわれると、友人か
ら一握りの菜種を借りて荒地を耕し種を蒔き、一年後には百五十倍
の菜種を収穫。それを隣り村で灯油に替えて、思う存分学問を続け
ることができました
◆尊徳を読むためのキーワード ※一部紹介
報徳:すべてのものの徳性(価値や特性)を認め活かす(報いる)こと
心田開発:何事を成し遂げるにも、まず本人のやる気を起こさせること
至誠:真心
分度:自分の収入に応じた生活規準
推譲:余財を生みだし、それを家族や子孫のために蓄えたり(自譲)、
広く社会のためや未来のために譲る(他譲)
勤労
積小為大:小事を疎かにしていて、大事を為すことはできない
米をみて直ちに米を得んと欲する者は、盗賊鳥獣に等しい。人たる
ものはすべからく米を蒔いて後に米を得ることである
成功は勤倹の者には近づき怠奢な者からは遠ざかる
小と大とに即応して経理する術を知っている者は、貧窮の憂いがない
貧者は昨日のために今日つとめ、昨年のために今年つとめる(中略)
富者は明日のために今日つとめ、来年のために今年つとめる
桃栗三年、柿八年というように、因果にも応報にも遅速があること
を忘れてはならない
徳に報いることを知らない者は、将来の繁栄のみを願って、その根
本を培わないから、自然に幸福を失うことになる
賭けをして負けるのは、勝とうとすることの変化である
商人が不利を招くのは、巨利をむさぼることの変化である
脱税や滞納は、しぼりとることの変化である
瓜を植えて茄子を求めるまちがいをするな
学問というものは、この小欲を正大な欲に導く術のことをいう。で
は大欲とは何かといえば、万民の衣食住を充足させ、人々の身に大
きな幸福を集めようと欲することだ
その才があっても、その力がなければ行なわれないし、その才、そ
の力があっても、その徳がなければ行なわれない。その徳があって
も、その位がなければ、やはり行なわれないのだ
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『世界に誇る日本の道徳力』石川佐智子・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877951008
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◆目次◆
序章 いま、なぜ二宮尊徳か―経済とモラルを調和させる実践哲学
1章 小を積んで大と為すのが成功の原点―積小為大のすすめ
2章 富に至る橋、貧に陥る落し穴―分度と勤倹を守れば必ず富にいたる
3章 勤、倹、譲こそ富者の道―勤労、分度、推譲で富に至る橋をかけよ
4章 尊徳流リーダーシップのすすめ―争わずに富と成功を得る
5章 強運は因果論を知る者に開かれる―天地自然の経文から学ぶ
6章 成功への大道を知る―「報徳」こそ人生の勝利への成功哲学
7章 自立への道は知識より行ないにある―至誠と実行だけが人を動かす
8章 人の道を行なうのが第一の原則―「天道自然」「人道作為」を知ること
9章 すべては人の道理を説くことから始まる―心田開発のすすめ
10章 真理だけが人を動かす―一円観の真理で難関を突破せよ
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