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『日常の疑問を経済学で考える』ロバート・H・フランク・著


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【世の中の不思議を経済学で解き明かす】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352983

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本日の一冊は、コーネル大学ジョンソンスクール教授で、ニューヨーク・タイムズ紙の常連コラムニストでもあるロバート・H・フランクが、学生たちの素朴な疑問に対し、経済学を使って答えた軽めの経済読み物。

ベストセラーとなっている『スタバではグランデを買え!』のアメリカ版とでも言うべき一冊です。

※参考:『スタバではグランデを買え!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478002290/

「花嫁は一度しか着ないウェディングドレスを何千ドルもの大金を
払って買い、花婿は将来、何度も着用する機会があるタキシードを
安い料金で借りるのはなぜ?」といった質問に対し、教授の答えが
数百字~1000字程度で書かれているという極めて軽い読み物ですが、
経済学的な思考を養いたい方には、いいトレーニングになります。

なぜ航空会社やホテルは厳しくキャンセル料を取り立てるのに、レ
ンタカー屋は取り立てないのか、航空運賃の早割が適用されるのは
なぜなのか。

日常の疑問が、経済学的視点を入れるだけでスッキリ解消する、な
かなか有意義な読み物です。

ただ、ほとんど深い考察がなされていないパートもあり、もっと厳
選すべきだったと思わないこともないですが、ビジネスのヒントと
なる価格決定のロジック、事例などもあり、参考になるのは確かです。

世の中の見方をちょっと変えたい人に、おすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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経済学の概念はすべて費用便益の原則から生まれている。「ある行
動によって生じる便益が費用を上回る場合のみ、その行動をすべき
である」という考え方だ

たとえ店を閉める可能性がまったくないとしても、鍵のついていな
いドアを購入する利点が店にあるとは考えられない。産業用ドアの
大多数は、二四時間営業ではない施設向けにつくられている。だか
ら、ドアには鍵が必要だ。産業用ドアの大半に鍵が必要であれば、
ドライブスルーのATMにも操作パネルに点字があるのと同じよう
に、すべてのドアに鍵をつけるほうが発生する費用は少なくなる

おいしい話には気をつけろ、というのが「テーブルの上に現金はな
い」の原則

一物一価の法則は、完全な競争市場で売られるモノとサービスに対
して、ほぼ例外なく適用される

ピーナッツとアルコールは補完関係にある。ピーナッツを食べると、
ビールやカクテルが飲みたくなるからだ。ピーナッツは比較的安く、
アルコールの利ざやは比較的大きいので、ピーナッツを無料にすれ
ば、利益増が見込まれる。一方、水はアルコールの代替になる。水
をたくさん飲めば、アルコールの注文が減る。だから、バーは客が
水をあまり飲まないように高い値段をつけるのだ

映画館の入場料を決定する要因は、作品の人気ではなく座席数である

女性モデルが男性モデルよりも稼ぐのは、レディースのファッショ
ン市場が、メンズよりもはるかに大きいからだ

アダム・スミスの理論は、他のすべての要因が同じであれば、リス
クがより大きい仕事、より努力を要する仕事、汚い場所や臭い場所
での仕事に対する賃金がより高くなることを説明している

レシートを受けとり損ねた人に無料の食事を提供すると約束するこ
とで、オーナーは費用をかけずに顧客にレジ係を監視させている

裁定取引が行われる可能性があれば、同じ商品を異なる値段で売る
のは難しくなる。だが、売り手はその制約を回避するためのうまい
方法を開発してきた。そうした方法の多くには共通点がある。買い
手がなんらかのハードルを越えた場合にだけ、割引価格で売るとい
うものだ

航空会社は、ビジネス客のほうが旅行客よりも乗る便を搭乗間際に
なって変更することが多いのに早くから気づいていた。また、ビジ
ネス客は、旅行客よりも航空運賃にうるさくない。したがって、出
発間際に予約をする客(ほとんどがビジネス客)には正規料金を課
し、事前に予約をする客(ほとんどが旅行客)には割引を適用してきた

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『日常の疑問を経済学で考える』ロバート・H・フランク・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352983
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◆目次◆


1.直方体の牛乳カートンと円筒形のソーダ缶
2.無料のピーナッツと高価な電池
3.「職場」での不思議な話
4.他の人よりも多く支払う購入者がいるのはなぜか
5.競争とコモンズの悲劇
6.所有にまつわる神話
7.市場のシグナルを読み解く
8.海外のエコノミック・ナチュラリストたち
9.心理学と経済学の出会い
10.人間関係の市場
11.二つのオリジナル
最後に
謝辞
原注
訳者あとがき

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