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『他人と深く関わらずに生きるには』


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【しなやかに生きるための処世術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101035229

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先日、ワイキューブの安田さんが『下を向いて生きよう。』を出された時は、正直驚きました。ベストセラー『千円札は拾うな。』の時の著者のイメージとは真逆の主張がなされていたからです。

※参考:『下を向いて生きよう。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763197967/

※参考:『千円札は拾うな。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763196804/

しかしながら、土井が見る限り、世の中で成功している人というの
は、じつはしたたかな人々です。

鉄は丈夫でも、金属疲労によりいつしかポキッと折れてしまう。一
方で竹はしなやかで、たとえ曲げてもなかなか折れることはありません。

鉄の意志を持つことは素晴らしいことですし、一貫性を守ることは
大事なことですが、一方で生きにくい時代には、柔軟な考え方を持
つことも重要です。

本日の一冊は、そんな視点から選んでみました。

本日ご紹介する一冊は、構造主義生物学の地平から多分野にわたっ
て評論活動を行う池田清彦さんが、しなやかに生きるための秘訣を
指南した一冊。

しばしば違和感を感じる表現や思想が登場しますが、それでも人生
訓として、有益な部分が多々あると思います。

友人関係や恋愛、仕事、お金…。あらゆる悩みを角度を変えて眺め
ることで、今までよりもずっとしなやかな考え方を身につけること
ができるでしょう。

おそらくBBM読者にとっては、かなり嫌悪感や違和感を感じる本。
それでも自分の幅を広げたいと思う人は、嫌な気分覚悟で読んでみ
てください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「君子の交わりは淡きこと水の如し」(『荘子』より)

他人に自分の心の中にずかずかと侵入されたくない人は、自分も他
人に甘えてはいけない

最初から無二の親友がいるわけではなく、いつ別れてもよいのだ、
という心構えでつき合っているうちに、結果的に三十年も五十年も
つき合ってしまった、というのが無二の友の真の姿である

すべての他人は自分にとってワンオブゼムに過ぎず、自分もまた他
人にとってはワンオブゼムに過ぎない

惚れたのはあなたの勝手なのだから、相手をうらんではいけない

自尊心というのは受動的にしてさえすれば、守られるというもので
はないのであって、ぎりぎりの選択の時にこそ試されるべきもの

ただ、人生の最期ぐらいは自分で決めた方がよいのではないかと思
うだけだ。医者の言う通りにして、後で後悔するのはバカである

同じように見える行為がある時は労働になり、ある時は遊びになる
のは、労働や遊びは文脈依存的な概念だからである

穀物は貯蔵可能なので、収穫量は多ければ多い程よい(中略)労働
時間は増加した。収穫量は労働時間に比例し、働ければそれだけ飢
える恐怖は減るからだ

わけ知り顔の世間の人たちは、労働とは自分が苦労をして、他人を
喜ばすことに意義があるのだから、つまらないと言ってすぐにやめ
たりしないで頑張らなければいけない、と知ったようなことを言う
かもしれない。そういう言説を真に受けて、労働が楽しくなる人は、
私に言わせれば、元々人のためになにかしてあげて感謝されるのが
好きな人なのである

他人と気持ちよく長くつき合うには、恩を売ったり買ったりしない方がよい

大義名分の下に自分の秘かな欲望を満たそうとする行為が、人間と
して最も下品な行為なのだ

自由に生きたいけれど、死にそうになったら助けてくれという人は、
自由に生きる資格がない

個性や能力も実は結果であって、あらかじめわからない所がミソなのである

何であれ、自らの情緒のみを正義だと信じている人は度し難い(中
略)多くの人々が少数派の情緒に寛容になれば、世界はずいぶん平
和になるだろうと思う

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『他人と深く関わらずに生きるには』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101035229
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┃▼目次▼

┃ はじめに
┃ I.他人と深く関わらずに生きたい
┃ II.他人と深く関わらずに生きるためのシステム
┃ 文庫版あとがき

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