2007年12月7日
【なぜか流行商品の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344980611
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本日の一冊は、理論社会学を専門とし、数多くのヒット商品や流行現象を研究し続けている著者が、電通消費者研究センターと共著でまとめた一冊。
「ムシキング」や「ラブandベリー」、初音ミク、ケータイ小説といった、売れている実感はないのにメガヒット、ミリオンセラーとなっている商品の秘密と流行のメカニズムに迫った、まさに今、求められている切り口のマーケティング書です。
賢明な読者のみなさんなら、すぐにそれはコミュニティやコミュニ
ケーションの問題だとお気づきだと思いますが、本書のすごいとこ
ろは、単なる流行の解説に終わらず、具体的にどうすれば流行を生
み出せるのかまで踏み込んで、著者なりのアイデアが加えられてい
るところ。
なかでも、オピニオンリーダーの活用法や「iPhone」を仕掛けたア
ップルの事例などは、今後のマーケティングの参考になります。
なぜ初速は出るのにその後の売れ行きがにぶってしまうのか。長く
売って大きなトレンドにするにはどうすればいいのか…。
書籍に限らず、流行を仕掛けようと思う人には、ぜひ読んでいただ
きたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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流行が生じる原因を、「劣等者による優等者の模倣」として定式化
したフランスの社会学者タルド、流行とは単なる模倣ではなく、
「人と違う存在でありたい」という差異化の欲求と模倣の拮抗のダ
イナミズムであると捉えたジンメルの説が有名
人びとが何を欠乏だと考えるかは、その時々の<物語>に大きく左
右されます
「見えないヒット」を支えているのは、「わたし」が欲しいと思っ
ていたものは、実はわたしだけではない、<わたしたち>が求めて
いるものだったんだ、という気づきであり、そこから来るよろこび
や盛り上がりなのです
「私だけが知っている」出来事が、現実の場面での集合的な行動に
より、「<わたしたち>だけが知っている」出来事へと変換
「噂の流通量(R)は、その情報の重要性(i)と曖昧さ(a)の積
に比例する(社会心理学者オルポート、ポストマン)
たとえ素人の表現であっても、書き手と読者の間にある「ネタ」が
共有されていれば、そこで強烈な<わたしたち>感覚が生まれ、受
け入れられる
キーパーソンにとって重要なのは「信頼」です。ネタ的コミュニケ
ーションの中心となる人物は、各段階に応じて、「話が面白い」
「専門的な知識を持っている」といった要素をもとに、その他の人
びとの信頼を獲得し、次のコミュニケーションを生み出していきます
コミュニケーションのサイクルの拡大を望むなら、いつまでも内輪
のノリを維持することにこだわってはいけない
「お客様は神様です」から「お客様は私たちの仲間です」という姿
勢への切り替えが、わたしたち消費をマネジメントしていく上で、
企業が消費者に示すべきメッセージとなる
「その他の人々」の間でその情報をより広く伝播させる際にキーと
なってくるのが、「人の影響を受けやすくクチコミ発信もする、受
動性と能動性をあわせもつ人たち」です
三~五年前に比べて四割の人が、「心の価値観を共有できる仲間が
ほしい」という気持ちや、「人とつながって、心情や気持ちを交換・
交流させたいと思う気持ち」が強まっていると答えています
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『わたしたち消費』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344980611
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┃▼目次▼
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┃ まえがきに代えて
┃ 第一章 「それって人気なの?」
┃ 第二章 「みんな」から「わたし」へ
┃ 第三章 わたしたち消費の時代
┃ 第四章 わたしたち消費のマネジメント
┃ 第五章 わたしたち消費のさらなる拡大メカニズム
┃ あとがきに代えて
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