2007年10月23日
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416369580X
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なぜBBMに村上春樹? と不思議に思った方もいらっしゃると思いますが、今回の新刊は小説ではなく、村上春樹自身の人生と創作活動について初めて語られた、注目作。
それゆえに、これまでの村上春樹作品とは一線を画しています。
著者自身「走ることは僕にとっては有益なエクササイズであると同時に、有効なメタファーでもあった」と述べているように、本書の主題である「走ること」は、著者の人生や創作活動のメタファーとなっており、そこから生きる上での教訓や創作に欠かせない心構えが学べるようになっています。
「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル」
「昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと」
「たとえ絶対的な練習量は落としても、休みは二日続けない」
など、内容は名言のオンパレード。
とくに後半の、「もし自分で決めたルールを一度でも破ったら、こ
の先更にたくさんのルールを破ることになるだろうし、そうなった
ら、このレースを完走することはおそらくむずかしくなる」という
言葉は、深く心に染みました。
クリエイティブの世界で身を立てようとする人、人生において何か
を成し遂げようとする人は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)
もっと書き続けられそうなところで、思い切って筆を置く。そうす
れば翌日の作業のとりかかりが楽になる。アーネスト・ヘミングウ
ェイもたしか似たようなことを書いていた。継続すること――リズ
ムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ
創作者にとって、そのモチベーションは自らの中に静かに確実に存
在するものであって、外部にかたちや基準を求めるべきではない
昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと、それがより重要な
のだ。長距離走において勝つべき相手がいるとすれば、それは過去
の自分自身なのだ
僕は走りながら、ただ走っている。僕は原則的には空白の中を走っ
ている。逆の言い方をすれば、空白を獲得するために走っている
他人といくらかなりとも異なっているからこそ、人は自分というも
のを立ち上げ、自立したものとして保っていくことができるのだ
僕が僕であって、誰か別の人間でないことは、僕にとってのひとつ
の重要な資産なのだ。心の受ける生傷は、そのような人間の自立性
が世界に向かって支払わなくてはならない当然の代価である
本当に若い時期を別にすれば、人生にはどうしても優先順位という
ものが必要になってくる。時間とエネルギーをどのように振り分け
ていくかという順番作りだ
人は誰かに勧められてランナーにはならない。人は基本的には、な
るべくしてランナーになるのだ
たとえ絶対的な練習量は落としても、休みは二日続けないというの
が、走り込み期間における基本的ルールだ
我々が小説を書こうとするとき、つまり文章を用いて物語を立ち上
げようとするときには、人間存在の根本にある毒素のようなものが、
否応なく抽出されて表に出てくる
どんなに走るスピードが落ちたとしても、歩くわけにはいかない。
それがルールだ。もし自分で決めたルールを一度でも破ったら、こ
の先更にたくさんのルールを破ることになるだろうし、そうなった
ら、このレースを完走することはおそらくむずかしくなる
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『走ることについて語るときに僕の語ること』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416369580X
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┃▼目次▼
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┃ 前書き 選択事項としての苦しみ
┃ 第1章 誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?
┃ 第2章 人はどのようにして走る小説家になるのか
┃ 第3章 真夏のアテネで最初の42キロを走る
┃ 第4章 僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎朝走ることから学んできた
┃ 第5章 もしそのころの僕が、長いポニーテールを持っていたとしても
┃ 第6章 もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった
┃ 第7章 ニューヨークの秋
┃ 第8章 死ぬまで18歳
┃ 第9章 少なくとも最後まで歩かなかった
┃ 後書き 世界中の路上で
┃
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