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『裸でも生きる』


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本日の一冊は、いじめ、うつを乗り越え、偏差値40から慶応義塾大学に合格、自らの人生を最貧国バングラデシュの発展に捧げ、途上国発のブランドを立ち上げた著者が、その半生を語った一冊です。

髪を染め、非行に走り、傍若無人の限りを尽くす著者の姿、内容にそぐわない文体は、読んでいて違和感を覚えますが、50ページ以降からの著者の奮闘ぶりには共感を覚え、感動のあまり涙さえ出てくるほどです。

理想に燃え、バングラデシュに渡った著者が見た貧困の現実――賄賂で市民を搾取する政治家、車に轢かれた少年を見捨てて立ち去る警官、お金を受取って著者を裏切る工場の経営者――。

試練を乗り越え、甘えを捨て、たくましく成長していく著者の姿は、
起業家のみならず、多くのビジネスパーソンに感動を与えること間
違いなしです。

何のために生きるのか。自分がこの世に生まれてきた意味は何なのか。

生きることの意義、働くことの意義を見つけたい若いビジネスマン
にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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父は寝ている私の体を蹴っ飛ばし、学校に行けと家を追い出した。
痛さと怖さで涙がボロボロ出てきてしまい、これは寝たふりだとバ
レてしまったと思い、私はしぶしぶランドセルを背負い学校に向かった

いままで、自分の意見を主張するため、そして自分の存在をアピー
ルするために、教師や学校、権力に対して「反抗」という手段を取
ってきたが、それがいつの間にか自分の人生を粉々にする可能性を
秘めているんだって、ゾクゾクするほどよくわかった

「私はいじめで学校に行けなかったけれど、世界中には社会的シス
テムが原因で学校に行けない子どもたちが何億人といるんだ。あぁ!
私の使命はここにあるんだ!」

首相の月給は三万五千円くらい。でも、ものすごい豪邸に住み、何
人もお手伝いさんがいて、高級車に乗り、子どもをアメリカの大学
に行かせる。この差額はいったいどこから来るんだ? それはまぎ
れもなく賄賂である

道を渡ろうとした少年が、急に動き出した車に衝突して倒れこんで
しまった。車は何事もなかったかのように走り去る。私は、近くに
いた銃を持った警官に、「早く! 早く救急車を呼んでください!」
と叫んだ。すると彼は手を差し出し、なんとお金を私に要求したのだ

「途上国発のブランドを創る」まさに夢物語だと思った。工場の品
質のレベルを見て、「かわいいものなんてつくれるはずがない」と
感じていた。そして自分一人の力では変わらない現実があることも
痛いほどわかっていた。でも私は、一歩踏み出そうと思った

次々と新しい難題にぶつかる。新しいことをはじめるのが、こんな
に難しいなんて思いもしなかった。夢への思いさえあれば、それで
何でもできると思っていたことが、明らかに間違いだと痛感した。
人は動かせても、数字は動かせないし、大きいものが小さいものを
踏み倒していくのは経済のルールなんだ

この国の人たちに、モノをつくること、売ることに、プライドをも
ち、そして自力で前に進む強さを身につけてもらいたかった。けれ
ど、それ以前にもっと大事なこと。それは、人に感謝する気持ち。
この人たちがそれを知らない間に身につけていてくれたなんて最高
にうれしい。今までの辛さがふっとび、報われた気がした

泣いた後に思う。失敗したって転んだって、すべてを失ったって、
また私は裸になればいい。そして、今日もバングラデシュのみんな
が私に問いかける。「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、
やりたいことをやらないんだ?」

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『裸でも生きる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820641
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┃▼目次▼
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┃ プロローグ
┃ 第1章 原点。学校って本当に正しいの?
┃ 第2章 大学で教える理論と現実の矛盾
┃ 第3章 アジア最貧国の真実
┃ 第4章 はじめての日本人留学生
┃ 第5章 途上国発のブランドを創る
┃ 第6章 「売る」という新たなハードル
┃ 第7章 人の気持ちに甘えていた
┃ 第8章 裏切りの先に見えたもの
┃ 第9章 本当のはじまり
┃ エピローグ 裸でも生きる
┃ 山口絵理子とマザーハウスの歩み
┃ 
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