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『リーンスタートアップ』エリック・リース・著 Vol.2827


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【シリコンバレー発のマネジメント手法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248976
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数多くの優良ベンチャーが生まれる、アメリカ、シリコンバレー。

本日ご紹介する一冊は、そのシリコンバレー発のマネジメント手法、『リーンスタートアップ』を解説した、注目の翻訳書です。

予約段階でいきなりアマゾンの総合ランキングトップ10入りを果たした本ですが、正直、最初は読んでいてかったるい。

というのも、本書で書かれている大半のことは、過去のアイデアだからです。

「構築─計測─学習」というフィードバックループを通して、顧客も製品・サービスも生み出し育てる、ということですが、そんなのは起業家にとって当たり前ですし、リーン生産の本は、過去にいくつも出ています。

では、起業家は本書から何を学べば良いのか?

本書が言っていることで、極めて重要なのは、資金が切れる前にできるだけ多くの学びを得る、という点にあると思います。(普通は資金ショートが怖いので、稼ぐことを考えてしまう)

スタートアップ段階の企業にとって最もヤバいのは、間違った仮説・指標に従い、ひたすら無駄な時間・労力を割いてしまうこと。

これをやってしまうと、起業は短期間で失敗に終わってしまいます。

賢いビジネスマンであれば、独立前(サラリーマン時代)にある程度のテストを行うものですが、それでも、得られる学びには限界があります。

そこで本書では、「実用最小限の製品(minimum viable product)」を作ることを推奨し、それらをどうテストして育てていくかを説いています。

コホート分析やスプリットテストなどのやり方は、勉強熱心な起業家であれば、きっと学んでいると思いますが、便利だと思ったのは、軌道修正に使うピボット(方向転換)のさまざまなタイプがまとめられていること。

・ズームイン型ピボット
・ズームアウト型ピボット
・顧客セグメント型ピボット
・顧客ニーズ型ピボット
・プラットフォーム型ピボット
・事業構造型ピボット
…ほか多数

このピボットのタイプをひと通り知っておくだけで、戦略転換が楽になり、起業の成功確率は飛躍的に高まると思います。

また、ビジネスの成長性を見極めたければ、「3種の成長エンジン」についても学んでおくといいでしょう。

アメリカ企業の事例が豊富で、実用性も高い。ただ惜しむらくは、ITの事例ばかりでわかりにくいのと、やや文章が読みにくいこと。

しかし、この点を差し引いても、本書には読む価値があります。

新規事業を立ち上げたい大企業の幹部、次の打ち手に悩む中小企業経営者、そしてこれからベンチャーを立ち上げたいサラリーマンや学生に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スタートアップの目標は、できるかぎり早く、作るべきモノ―顧客が欲しがり、お金を払ってくれるモノ―を突きとめることだ

リーン・スタートアップでは、さまざまな仮説に基づいて複雑な計画を立てるのではなく、構築─計測─学習(Build-Measure-Learn)というフィードバックをハンドルとして継続的に調整を行う。方向転換(pivot)をいつすべきなのか、そろそろすべきなのか、あるいはまた、いまのまま方向性を維持して辛抱(persevere)すべきなのかは、この操縦プロセスを通じて学ぶことができる

ある会社との関わりを通じて顧客が体験することは、すべて、その会社の製品だと考える

「ひとつしか試さない場合、アントレプレナーではなくて政治家が増えてしまいます。100もの優れたアイデアから自分のアイデアを採用してもらう必要があるからです。それでは駆け引きや売り込みが得意な人ばかりが増えてしまいます。でも、テストが500種類にもなれば、全員のアイデアを試すことができます。そういう状況では、やってみては学び、修正してもう一度やってみては学ぶアントレプレナーが生まれるのです」(スコット・クック)

価値と同じように、スタートアップの成長理由をアントレプレナーは理解していなければならない

誰が顧客なのかがわからなければ、何が品質なのかもわからない

プロトタイプを作る前にマーケティング資料を作り、スモークテストで様子を見ることもできる。これは昔から行われているダイレクトマーケティングの手法で、まだ作っていない商品を予約してもらうのだ

カタログについて新デザインの効果を確かめたければ、顧客の半分には新しいデザインのカタログ、残りの半分には古いデザインのカタログを送ればいい

◆ピボットのタイプ ※一部紹介
・ズームイン型ピボット(zoom-in pivot)
 製品機能のひとつと考えていたものが製品全体となる
・顧客セグメント型ピボット(customer segment pivot)
 もともと計画していた顧客ではないと気づいた
・顧客ニーズ型ピボット(customer need pivot)
 解決しようとしていたのが顧客にとって重要性が高くない問題だった

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『リーンスタートアップ』エリック・リース・著 日経BP社
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◆目次◆

第1部 ビジョン
第2部 舵取り
第3部 スピードアップ

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