2010年11月6日
【傑作の下巻は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532167531
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本日の一冊は、昨日ご紹介した『ゴールドマン・サックス(上)王国の光と影』の下巻にあたる一冊。
※参考:『ゴールドマン・サックス(上)王国の光と影』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532167531
もう一度紹介しておくと、著者はあの『敗者のゲーム』を書いたチャールズ・エリス。
※参考:『敗者のゲーム』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532350689
本書は、大手金融機関を顧客とするコンサルタントであり、ウォール街に幅広い人脈を持つ著者が、100人を超えるゴールドマン・サックスのパートナーに取材をして完成した超大作。
創業期からの栄光が描かれた上巻と違って、下巻はどちらかというと同社の歯車が狂い始めた時期から現在までを追っています。
BP引受で出した巨額の損失の話にはじまり、クライアントに対し、利益相反が起こるリスクのある資産運用業務の立ち上げ、ならずものマクスウエルと取引したことによるスキャンダル、そして長年同社のパートナーが蓄積した富と秩序を市場に売り渡したIPO…。
企業がどうやって崩れていくのか、変化に対応することがなぜ難しいのかを教えてくれる、生きた教科書になっています。
上巻ほどの華やかさとワクワク感はありませんが、これはこれで、経営のヒントとなる内容だと思います。
上巻とあわせて、ぜひお読みください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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同じビジネスモデルが永遠に続くことはない。顧客は変わり、顧客のニーズも変わるから、仲介する組織も変わらざるを得ない
ゴールドマン・サックスには、外部にはほとんど知られていないが重要な機関としてコミットメント委員会がある。その目的は、“致命的な賭け”を絶対にしないようにすることにある
ゴールドマン・サックスは規模拡大にともなって、株の取次ぎをする仲介業者から引受業者へ、値付け業務をするマーケットメーカーへ、代理業務を行うエージェントへ、運営管理の責任を負う業務のパートナーへ、そして盤石な資本で自らリスクを取るプリンシパルへと、段階を追って収益性を高めてきた
「彼らはいつもいちばん賢い人間の意見を尊重した」。だが、頭のよさに頼ればいつも正しい方向にいくとは限らない。別のパートナ
ーはこう言う。「スティーブとボブはとても合理的だったから、人間的な側面という同じくらい重要な要素を無視するところがあった」
将来を見据えると、グローバリゼーションの波がゴールドマン・サックスに大きな収益機会をもたらすのは間違いないとしても、その
ためには大胆な行動が必要だという点で、フリードマンとルービンの見方は一致した。さもなければ、最高のビジネスを他社に持っていかれてしまう
株式公開すればシニア・パートナーたちが一躍大金持ちになることはわかっていた
急成長していて社内での人材育成が追いつかなくなると、同業他社から採用するようになる。当然、失敗も犯す。間違った人材を採用したり昇進させたりする。すると、彼らは社内に敵ができる。ほかの人は助け船を出そうとせず、避けようとする。そいつを懲らしめるために会社にマイナスとなるようなリスクを冒す者まで出てくる
「科学が好きなのは、それがいちばん面白いからだ。最初聞いたときはバカげて見えたものが、終わってみれば、当然のことのように思えてくる。そんなものに巡り合うのが醍醐味なのだ」。基本的な発見は、普通に考えられていることに挑戦して初めて出てくるとブラックは信じていた
投資顧問が調査部のアイデアを使おうとすれば、明らかに利益相反が起こる。機関投資家を優先するか、投資顧問の客を先にするかをどうやって決めるのか?
「他人の庭には入らない」という単純な方針は、資産運用業務がほんとうは儲かるものだとウォール街が気づいたとたん、守ることができなくなった。いかに儲かるかを最初に発見した人の中にガス・レビーがいた
マクスウエルにとって、アメリカの会社の野心を利用することくらい簡単なことはなかった
「みんながやっている」──現実から逃れるために、「今度は違う」に次いで多く使われるせりふだ
評判を築くには、戦略よりも実践のほうがつねに重視される
能力と向上心のある人がキャリアを賭けるとき、この会社は外部から人を引っ張ってきて上司に据えるようなことはせず、リスクから守ってくれると会社を信頼する必要がある
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『ゴールドマン・サックス(下)王国の光と影』チャールズ・エリス・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
第20章 ロンドン攻略の先兵
第21章 BP引受で巨額の損失
第22章 トップ交代
第23章 クオンツの先駆け
第24章 よみがえる投信の悪夢
第25章 死の舞踏会
第26章 裁定は面白い!
第27章 インサイダー取引の罠
第28章 八人の国際アドバイザー
第29章 「スティーブが辞める!」
第30章 最高の人材 最高の会社
第31章 コーザインの野心
第32章 LTCM事件
第33章 クーデター
第34章 富と利益を最大にする法
第35章 ポールソンの統治
第36章 ブランクファインの道
その後
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