2009年9月24日
【デキるコンサルタントの「解答力」とは?】
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本日の一冊は、20万部ベストセラー『コンサルタントの「質問力」』の著者、野口吉昭さんによる待望の新刊。
※参考:『コンサルタントの「質問力」』
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著者いわく「続編というわけではない」そうなので、そういった言及は避けますが、前作を読んだ方には知識を補完する上で役立つ一冊だと思います。
著者が続編でないことにこだわるのは、本書でいう「解答力」が「質問にどう答えるか?」というだけのノウハウではないから。
「もっと包括的な、『どう仕事へアウトプットしていくか』『人間関係をどうつくるか』までを意識したものが、本書で説きたい『解答力』」であるらしい。
では、その「解答力」とは一体何を指すのか。
著者はこれを、3つのキーワードに分けて説明している。
そのキーワードとは、1.期待値を読む、2.本質を彫り出す、3.ロジックとパッションで人を動かす、の3つ。
安易に「回答」するのではなく、相手のこちらに対する期待値を読み、相手軸で考える。深い問題意識を持つことで本質を彫り出す。そしてロジック+パッションで人を動かす。
さすが長年現場で鍛え上げたプロのコンサルタント。現場に根ざした「解答力」の事例に、思わずなるほどとうなづく説得力があります。
カテゴリーは違えど、土井もコンサルタントとして、反省させられるところが数多くありました。
ただ、ひとつだけ注文をつけるとすれば、第5章の「ロジックとパッションで人を動かす」は、「ロゴス」「パトス」に加え、「エトス」の話も入れたらなお良かったと思います。
アリストテレスが述べたように、「エトス」「ロゴス」「パトス」は人を動かす話し方の基本。
何をどう話そうと、誰が話すかという要素がなければ、やはり人は動かないからです。
もちろん、著者はそんなことはわかった上で話をシンプルにしているんだと思いますが、読み手はこの辺も気をつけて読むといいと思います。
こうした「解答力」に加え、1日に30冊読む読書術など、興味深い話題が満載。前作同様、今回も読み応えある内容になっています。
コンサルタントや研修講師はもちろん、カウンセラー、医師、教師、占い師など、およそ人の悩みに応える仕事の方は、必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆「解答力」のキーワード
1.期待値を読む
2.本質を彫り出す
3.ロジックとパッションで人を動かす
答えが正しいからといって、その答えをそのまま口にすればいいというわけではない
どんなに正しい答えでも、相手に伝わらなければ、それは正しい答えとはいえない。相手の心を動かし行動に結びつけられなければ、正しい解答ではないのだ
コンサルティングを手がけるときには、相手が誰で、どんな課題を抱えていて、自分たちに何を期待しているのかを把握することが不可欠となる。相手軸に立ち、相手の期待値を読まなくてはいけない
企業の経営戦略には、「仕掛ける戦略」と「仕組む戦略」がある。簡単にいえば、仕掛けとは「攻め」であり、仕組みとは「守り」である。たとえば従来のカテゴリーを超えた新商品を市場に投入するのは「仕掛け」である。その仕掛けを実現するためには、R&D(研究開発部門)の強化をはかったり、物流等のサプライチェーンの整備が不可欠となる。こちらが「仕組み」である
ありきたりの言葉でも、それが相手軸に立って発言された場合、ありきたりな言葉ではなくなる
もし任天堂が、既存顧客のニーズに「回答」することだけを考えていたら、ひたすら高い機能を追い求めるだけだったろう
解答力がある人だと、「なんでこの人は、こんな質問をしたのかな」とまず考える。背景・前提・期待をひもとくのだ
人の行動の基本は、must(しなければならない)とcan(できる)とwill(したい、決意する)の三つだと思っている。「私はこの仕事をしなければならない」「私にはこの仕事ができる」「私はこの仕事がしたい」この三つがそろったとき、人は最高のパフォーマンスを発揮する
自分たちだけで勝手につくりあげたものは、「提案」とはいえない
本質を彫り出すためにまず大切なのは、深い問題意識を持つことである。相手軸に立ち、常に仮説を立てておく
なぜオバマ&ファヴローは、「過去-現在-未来」軸でスピーチを構成したのだろうか。おそらくそれが「アメリカ国民」という相手軸に立ったときの、最も適切な解答の仕方であると彼らが考えたからだ
◆期待値によって使い分けたい「三つの解答」
「仮説解答」「オプション解答」「断定解答」
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『コンサルタントの「解答力」』PHP研究所 野口吉昭・著
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◆目次◆
第1章 人を動かせなければ「解答」とはいえない
第2章 コンサルタントの「解答力」とは何か?
第3章 期待値を読む
第4章 本質を彫り出す
第5章 ロジックとパッションで人を動かす
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