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『生まれてすみません 太宰治 一五〇の言葉』山口智司・著


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【希望は絶望の淵から生まれてくる】
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学生時代、国語の授業で読んで、もっとも感動した作品のひとつに、太宰治の『走れメロス』がありました。

※参考:『走れメロス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101006067/

「間に合う間に合わぬは問題ではない、人の命も問題ではない。もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ」という名言に心打たれた人も多いでしょう。

今年は太宰治の生誕100周年ということで、さまざまな作品が予定されていると思いますが、本日ご紹介する一冊もそのうちのひとつ。

人気ブログ「山口智司の『快筆乱麻』」の著者が、太宰治の作品のなかから名言をピックアップし、全部で150の言葉をまとめています。

人生、人間関係、そして恋愛。

鋭敏な感受性を持つがゆえに苦悩し、絶望を味わった太宰治だからこそ見えた人間の真実が、ここに記述されています。

なかでも、嫉妬や怠惰、嘘、臆病など、人間を苦しめる感情についての考察は、一読に値すると思います。

より良い人生を歩むために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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愛は最高の奉仕だ。みじんも、自分の満足を思っては、いけない。(『火の鳥』)

嫉妬というものは、なんという救いのない狂乱、それも肉体だけの狂乱。一点美しいところもない醜怪きわめたものか。(『皮膚と心』)

嫉妬。それがお前の、愛されたいと念じた揚句の収穫だ。(『新ハムレット』)

てれくさくて言えないというのは、つまりは自分を大事にしているからだ。(『新ハムレット』)

片恋というものこそ常に恋の最高の姿である。(『チャンス』)

私の数ある悪徳の中で、最も顕著の悪徳は、怠惰である。(『懶惰の歌留多』)

どうせ露見する事なのに、一日でも一刻でも永く平和を持続させたくて、人を驚愕させるのが何としても恐ろしくて、私は懸命に其の場かぎりの嘘をつくのである。(『東京八景』)

弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。(『人間失格』)

人間ならば恥じて下さい。恥じるというのは人間だけにある感情ですから。(『貨幣』)

薄情なのは、世間の涙もろい人たちの間にかえって多いのであります。(『女の決闘』)

おのれを愛するが如く他の者を愛する事の出来る人だけが誠実なのです。(『風の便り』)

大人というのは侘びしいものだ。愛し合っていても、用心して、他人行儀を守らなければならぬ。なぜ、用心深くしなければならぬのだろう。その答は、なんでもない。見事に裏切られて、赤恥をかいた事が多すぎたからである。人は、あてにならない、という発見は、青年の大人に移行する第一課である。大人とは、裏切られた青年の姿である。(『津軽』)

だまされる人よりも、だます人のほうが、数十倍くるしいさ。地獄に落ちるのだからね。(『かすかな声』)

信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。(『走れメロス』)

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『生まれてすみません 太宰治 一五〇の言葉』PHP研究所 山口智司・著
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◆目次◆

はじめに
第1章 愛
第2章 苦悩
第3章 世間
第4章 自意識
第5章 生活
第6章 真理
第7章 それでも、生きる
太宰治はいかに生きたか
おわりに
参考文献

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