2009年2月14日
【貧困層搾取の実態をつづった恐怖のレポート】
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本日の一冊は、アジア経済やBRICs経済、地下経済などを専門とするエコノミストが、現在の日本にはびこる「貧困ビジネス」の実態を暴いた一冊。
貧しい女性をホストクラブでカモにして、借金漬けにして果ては性風俗店に売り飛ばすという悪質なビジネス、貧困層の増加に伴って新たに登場した「保証人ビジネス」、高齢のホームレスの人たちに生活保護の受給を申請させてピンハネするビジネスなど、じつにさまざまなビジネスが登場し、読んでいるだけで気分が悪くなります。
以前、著者の本を読んだ時にも、世界にはさまざまな闇ビジネスがあると知って驚いたものですが、今回は、それが日本でも横行するようになった、という深刻な話です。
悪徳業者の手口、関連する法律など、処世術としても役立ちますが、これから伸びてくるビジネスを見極める、という意味で意義のある一冊だと思います。
教養として、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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2008年に入って日本の景気が急激に悪化するようになってからは、消費者が生活防衛姿勢・低価格志向を強めるなかで、日本マクドナルドやファーストリテイリングといった「低価格」を売りにした小売・外食産業の業績が好調に推移しています
「ワーキングプア」の人数(年収が200万円に届かないフルタイム労働者)は、総務省「就業構造基本調査」をもとに集計すると2007年の時点で約1300万人に上ります
全体としてとらえれば、「ワーキングプア」の消費市場のほうが、富裕層の消費市場よりも規模が大きい
お金のない女性をカモにして、ツケでホストクラブで飲食をさせて、借金漬けにして性風俗店に売り飛ばすといった悪質なビジネスもあります
「敷金」「礼金」がなく、家賃も通常と変わらない「ゼロゼロ物件」は、非正社員など低収入で不安定な雇用形態で働く若者たちの間で人気を集めています(中略)「ゼロゼロ物件」をめぐるトラブルでとくに多いのは、家賃の支払いがわずか1日遅れただけで、不動産業者から高額の違約金をとられるというものです
貧困層の増加に伴って、新たに登場するようになったもうひとつの「貧困ビジネス」がいわゆる「保証人ビジネス」です。「保証人ビジネス」は、保証人をつけたい人(依頼主)と保証人になってくれる人をマッチングさせるビジネスです
2004年5月には、兵庫県のホストクラブ経営者が、ホストクラブの飲食代400万~800万円を支払えなくなった少女2人を合計100万円で性風俗店に斡旋し、売春をさせていたとして逮捕されました
2000年代に入ってからは、50代や60代といった高齢のホームレスの人たちに生活保護の受給を申請させて、彼らが受け取った生活保護費をピンハネしてしまうといった「貧困ビジネス」が横行しています
貸金業者の場合には、「出資法」の上限金利(年利29.2%)が適用されますが、質屋の場合には、「質屋営業法」に基づいて、最大で年利109.5%の利息を合法的にとることができてしまうのです
フィリピンでは、貧困層を中心に、自分の臓器を売りたいというドナー希望者が多数存在しており、そのためにフィリピンで外国人患者を対象とした臓器移植手術が行われるケースが多くなっています
2006年から2007年までの2年間で、「ねずみ講」の被害にあった人は全国で8948人、被害総額は28億9199万円にも上りました
製造業の大幅な生産調整と、派遣社員の「2009年問題」が重なることによって、今後、製造業から大量の派遣失業者が出てくる可能性
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『貧困ビジネス』幻冬舎 門倉貴史・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 食いものにされるワーキングプア
第2章 世界中に蔓延する「貧困ビジネス」
第3章 ますます悲惨な非正規雇用の実態
第4章 「安全」より「安さ」を選ぶしかない人たち
第5章 台頭する貧困対応型セックス・ビジネス
第6章 「規制強化」は貧困層を救うのか
おわりに
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