2008年2月25日
【慶應義塾創立150年記念】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408107301
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本日の一冊は、かつて「製紙王」と呼ばれた大経営者、藤原銀次郎
さんが、慶應義塾の100年祭に先駆けて出された著書を、慶應義塾の
創立150周年にあたり復刊したもの。
一読してもすぐには理解しがたい福澤諭吉の言葉を、平易な言葉で
解説し、学生・サラリーマンから絶大な支持を集めた名著です。
太字で福澤諭吉の名言が紹介され、その後に解説が続く、というシ
ンプルな構成ですが、読んでいておもしろいのは、福澤諭吉の教え
を著者がどう解釈し、事業や人生の知恵につなげていったのかとい
うプロセスが見えてくること。
単なる自己啓発にとどまらず、お金の使い方や感情の扱い方など、
かなり具体的な点まで突っ込んで書かれているのも新鮮です。
難しい福澤諭吉の言葉をわかりやすくした、というだけでも一つの
貢献だと思いますが、さらに、経営者として知っておくべき教訓を
セレクトした、という点が本書の最大の魅力かもしれません。
じつはまだ『学問のすすめ』を読んでいない、という方は、これが
ラストチャンスからもしれません。ぜひ読んでみてください。
※参考:『学問のすすめ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003310233/
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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この世界に生れ出てきた以上は、ウジ虫同様ながらも、ウジ虫相応
の覚悟がなければならぬ。しからば、その覚悟とは何であるか。人
間本来たわむれの世と知りつつも、たわむれをたわむれとせず、真
面目に、一心に、出来るだけ良く生き抜いて行くことである。その
職業に精を出し、貧苦を去り、富楽に志し、他の人々の邪魔をせず、
迷惑をかけることなく、自らの最善をつくして、一生を充実するこ
とである
「棄つるは取るの法なり。浮世をかるくみて、浮世を棄つるは、す
なわち、浮世を取るの根本なりと知るべし」
「人は孜々勉強すると共に、常にそのみるところを広うし、社会公
共の利害を考え、等しく生計のための事業を行うにも、間接に世を
利するものを択ぶこそ本意なれ」
「家計を密にして省くべきの浪費を省くは銭を吝むにあらず。独立
の根本を厚くするため為なり」
「人生独立の実手段を等閑に付し、浮世の小不外聞をおそれて一身
の大不外聞を忘れ去るもの多し。処世の勇気に乏しき奴輩なり」
わるい事を知らないから、わるい事をしないというのでは、わるい
事を知ればそのわるい事に陥る危険がある。わるい事を知って、敢
えてそれを行わないこと、また行わないように人をみちびくのが、
君子の道である
「求めずして自然に至る名誉こそ、真の名誉となすべきなり」
「公にも、私にも、子弟の教育に銭を惜しむべからず」
人と交わるにはその長所と交わるようにし、つとめてその欠点、短
所を忘れ去るべきである
「馬鹿者の世の中に、独り利口ぶるは一種の馬鹿者なり」
「鼠を捕らんとすれば、猫より進むべし」
「商人は一旦の利に誇ることなく、一旦の損に驚くこと勿れ。唯だ
恐れ慎むべきは、日々月々、軽々の損なり。唯だ希い望むべきは、
連綿不断、軽々の利なり」
第一に諸君に希望するのは、そのように全産業から信頼される人に
なるよう、今後は特にそれに重きをおいてもらいたい。その次には、
やはり智恵がなくてはいかぬ。信用だけあっても、ほんとうの智恵
がなければならない(中略)信用もあり、智恵があってそれだけで
いいかというと、それだけでもいけない。もう一つ必要なのはその
智恵や学問を断行するところの勇気が必要である
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『福澤諭吉 人生の言葉』藤原銀次郎・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408107301
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◆目次◆
序
福澤先生の言葉
ひとりの人の力でも
『役に立つ学問』の修業
体験は私に何を教えたか
実地における一歩一歩の邁進
特別対談 企業人・福澤諭吉を語る
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