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『はじめての課長の教科書』酒井 穣・著


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『はじめての課長の教科書』…。いかにも狙ったタイトルだと思いつつ読み始めたら、これはなかなかすごい本でした。

タイトル通り、現場のマネジャーのための手引書なのですが、課長の心得から、人身掌握術、部下の褒め方・叱り方、仕事に没頭させる方法まで、じつに細かく書かれています。

課長に求められる細かなスキルに関しても、基本スキルから社内政治、査定、部下とのコミュニケーション、課長のキャリア戦略まで、かなり突っ込んで紹介されています。

独立してからずっとマネジメントで悩み続けている土井からしたら、
「自分でやって苦労しろ」と言いたいところですが、最初からこれ
を読んでいたら楽だったのに、というのが本音です。

それにしても驚くのは、この著者の人間を見る眼の鋭さ。人が何を
欲している生き物で、どうされたら喜ぶのか、はたまたやる気を失
うのか、かなり詳しく書かれています。

著者の言う通り、「課長の元気が良い企業こそが新時代を勝ち抜く
企業に共通する特徴」であるとすれば、本書は、間接的に「勝ち抜
く企業を作る一冊」と言えるでしょう。

現場を活性化し、ハイパフォーマンスを実現したいマネジャーに、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間の気分には波があるということを理解し、モチベーションが低
下している部下へのケアを忘れないようにしなければなりません

お金よりも大切なのは、部下を一人の人間として気にかけ、能力だ
けでなく、もっと人間性に興味を示してやるということ

成果主義ということで、ストライカーにばかり報酬を与えていれば、
チーム内に不公平感が広がり、嫉妬がうずまき、皆がストライカー
的な仕事ばかりを希望するようになります。こうしてチームワーク
そのものが、成果主義によって壊されてしまう

「かっこいい仕事」を実現させるためには、「従業員があまりお金
のことで悩まないようにしてやる」という、あまり「かっこよくな
い仕事」も必要になってくる

「入金が遅れそうだ」といった「悪い情報」がどれほどすばやく部
下から上がってくるかが、課長の死活問題

課長は部下の失敗をそのまま部長や経営者に伝えてしまってはなりません

課長とは船長のようなものです。船が危機にあっても、船から逃げ
るのは部下を逃がした後、一番最後であるべきです

ビジネスにおいて部下をほめるという行為の意味は、感謝の意を示
しつつ部下の進むべき方向をはっきりと示すことにあります

人間というものは、叱られるというフィードバックなしでは、なか
なか成長できない生き物

教育をしたら、後は部下の能力を信頼し、部下の思う通りに仕事を
させるというのが現代的な人材管理手法

◆仕事に没頭する状態 5つの条件
1.やることの目的と価値が明確になっている
2.活動を自分でコントロールできる
3.活動の難易度がちょうど良い
4.活動中に邪魔が入らない
5.活動の最中、その成功と失敗が明確になる

魅力的なプロジェクトを持つ部署には、エース級の人材が集まりや
すい(中略)課長として社内政治に優位性を築いていくのは、部下
のためでもあるのです

Cクラス社員に対して、「自分ができることは他人にもできるはず」
という発想で当たるのは最も大きな誤り

良いビジネスマンたるには、いくら儲けたのかという「収益の量」
ばかりを問うのではなく、どのようにして儲けたのかという「収益
の質」を常に問う態度が大切

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『はじめての課長の教科書』酒井 穣・著
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◆目次◆

はじめに
第1章 課長とは何か?
第2章 課長の8つの基本スキル
第3章 課長が巻き込まれる3つの非合理なゲーム
第4章 避けることができない9つの問題
第5章 課長のキャリア戦略
あとがき
参考文献

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