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『汗出せ、知恵出せ、もっと働け!』


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【自己の成長のために何が必要か】
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本日の一冊は、98年に伊藤忠商事の社長に就任、99年に約4000億円の不良資産を一括処理しながらも、翌2000年度決算では同社史上最高益を叩き出したというカリスマ経営者、丹羽宇一郎さんの講演録ベストセレクション。

流通業向けに語った経済の見通し、中央大学で新社会人に贈った言葉、国家公務員に向けて語ったエリートの精神、そして経営者に説いた「志」や「信用」の大切さ…。

自らの体験と古今東西の名著・名言を巧みに織り交ぜて語る氏の講演内容は、まさに「背筋が伸びる」のひと言に尽きます。

「賢者か愚者か、それはまさに『心』にある」
「人間の生きている証は、『心』に栄養を与えていること」
「人は、仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人によって磨かれる」

いずれの講演録をとっても名言のオンパレードで、読んでいてまっ
たく飽きることがありません(重複は若干あります)。

個人的には、3つの質問「君はアリになれるか」「君はトンボにな
れるか」「君は人間になれるか」、そして国を治める三つの要素が
心に響きました。

最近のビジネス書は、読者から見た等身大の幸せ・成功を謳ったも
のが多いですが、本書はまったく逆で、むしろ読者の自尊心を鼓舞
し、その成長をあたたかい目で見守ってくれるメンターの位置づけです。

良いリーダーになるために、またノーブリス・オブリージュの精神
を身につけるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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土壌の質は、一朝一夕では変わらないのです。人材と土壌がなくて
は、農業はできません。したがって、農業は持続力が必要になるの
です。継続していかなければ、荒廃してしまうわけです

五十年後や百年後のことを予測しても意味がありません。モンテー
ニュというフランスの社会思想家は、「賢い人は将来のことを予測
したり心配したりしない」と『随想録』の中で述べています

イノベーションというのは、「T+M+F」という法則があると私
は考えています。すなわち、テクノロジーとマーケティングとファ
イナンシング、この三つが一緒にならなければ成立しない

皆が百円ショップにしか行かなくなったら、売上は落ちるし、利益
も落ちるし、ろくなことはありません。日本は衰退してしまいます

アリストテレスは幼年期のアレキサンドロスに、どのような教育を
行ったか。幾何学や三段論法(修辞学)ではありません。彼が教え
たのは「心」です

仕事というのは、基本動作をまず覚えること

人間の生きている証は、「心」に栄養を与えていること。それがな
ければ、犬猫と一緒です(中略)「心」の栄養とは、感激や感動。
他者への優しい目線、それから強い者、不正な者に立ち向かってい
く勇気、そういうものです

会社の目的というのは、三つあります。一つ目は利益です。二つ目
は社会貢献です。そして三つ目は永続性です

一番大事なことは、皆さんの日常の生活が「言行一致」であること
です。それが信用です。信用がなければ、誰もついてこない

皆さん方が働く意味を見出せるときとは、どんなときか。それは、
自分以外の人のために働いているときです

人は、仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人によって磨かれる

◆仕事をしていく上で、自分に問いかけたい3つの質問
「君はアリになれるか」「君はトンボになれるか」「君は人間になれるか」

たとえ神のロゴスが二百万年の歳月を経たとしても、人間というの
はそう変わらないと私は思います。なぜなら、技術は継承できます
が、心は継承できないからです

国を治めるために三つの要素があります。食べ物と武器と信用です。
このうち、捨てなければならないとしたら最初に何を捨てるか。ま
ずは武器です。次は何か。食べ物です。最後まで譲れない、捨てて
はならないのは信用です

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『汗出せ、知恵出せ、もっと働け!』
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◆目次◆

はじめに
第一章 二十一世紀日本の光と影
第二章 巣立つ若者たちへ贈る
第三章 M&Aとコーポレートガバナンスの行方
第四章 企業改革に終わりはない
第五章 エリートなき国は滅ぶ
第六章 「人を動かす経営」とは何か
第七章 日本は「人と技術」なくして成り立たない
第八章 WFPの活動と国際貢献
第九章 稼いだ金は、誰のものか?
第十章 曲がり角に立つ日本とリーダーの使命
第十一章 地域飛躍の戦略のために

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