2007年5月9日
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本日の一冊は、かつて「進研ゼミ」の小論文編集長として大活躍し、現在は作家として、また文章指導のプロとして活動する山田ズーニーさんが、「人と想いを通わせる技術」を説いた一冊。
以前から、この方の本はいくつか読んでいますが、いずれも哲学とメソッド、そして著者の人を見つめる温かい目線が感じられる、素晴らしい著書ばかりです。
※参考:『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569617360
今回の著書も、120ページちょっとの文章ながら、コミュニケーションの本質をとらえた、じつに読み応えのある内容です。
「何を言うかよりだれが言うか」という大原則に始まり、根本思想と言葉の一致、考えるためには答えではなく問いを探す、など、コミュニケーションの問題に長年取り組んできた著者ならではの深い洞察が示されています。
なかには、上司が部下を動かすための話し方や、人に共感してもらう方法など、ビジネスに即役立つ内容も含まれています。
そして何よりも、本書から受取りたいのは、著者の人間を見る温かいまなざし。
どうして著者の文章がこうも人の心を打つのか、本書を読むことで、その理由が少しはわかった気がします。
安直なテクニックに走る前に、ぜひ読んでおきたい人間としての心構え。自信を持っておすすめできる一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何を言うかよりだれが言うか、が雄弁なときがあります
「自分のメディア力」とは、他人から見たときの、自分の信頼性や影響力
まず自分という人間への信頼や共感を高め、それから話しはじめれ
ば、言葉はずっとスムーズに届きます
どうしてもいまの自分ではダメだというとき、「ではだれが言えば
伝わるか」と考えて、相手が信頼している人間に語らせるという奥
の手だってあります
意見+論拠(=機能する話の大原則)
「意見」、つまり、言いたいことがない文章は、状況の中で機能しません
良い意見を出す人、会議で流れを変えるような発言のできる人は、
必ず良い問いを持っています
根本思想は、わずかな表現にも立ち現れてしまう。嘘は人を動かさ
ない。伝えることはこの点で甘くありません。逆に言うと、根本思
想はそれだけ強いからこそ、根本思想と言葉が一致したとき、非常
に強く人の心を打つ、ということです
考えるためには「答え」ではなく、「問い」を探すのです。その問
題を考えるのに有効な、具体的で小さな「問い」を、いくつも、い
くつも洗い出してみるのです
伝わる話には、相手にとって必要な問いが、筋道立てて並んでいます
正論が通じない理由のひとつは、正論を言うとき、自分の目線は、
必ず相手より高くなっているからです
自分の身体を通して実験済みのことほど、具体的な素材はない
「問い」には、人に考えさせる力がある。「問い」が響けば、相手
は自ら答えを探し、行動に移していく
信頼を得る伝え方のポイントは二つ。「つながり」と「相手理解」です
過去→現在→未来のつながりの中で指示されると、人は、意味・や
りがいを感じます
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『話すチカラをつくる本』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 1章 7つの要件で想いは伝わる!
┃ 2章 おわび・お願い、人を説得する技術
┃ 3章 共感の方法――人を励ます・誤解を解く
┃ 4章 信頼を切りひらく! メッセージの伝え方
┃ おわりに
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