2007年1月6日
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本日の一冊は、『リスク』『ゴールド』などの名著で知られる執筆家、ピーター・L・バーンスタインによるロングセラーを、普及版として刊行した一冊です。
※参考:『リスク』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532190797/
※参考:『ゴールド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532192692/
ハリー・マーコヴィッツやロバート・C・マートン、ポール・サミュエルソン、マイロン・ショールズ、ウィリアム・シャープなど、
ウォールストリートに多大な影響を与えた学者たちに直接インタビューないし電話をしてまとめた、貴重な文献です。
この一冊を読めば、ウォールストリートの投資理論や思想がどのようにして生まれ、育まれていったか、その変遷を見ることができます。
投資理論の基本を押さえる意味でも、重要な一冊だと思います。
「訳者はしがき」によると、本書の初版は最初横書きだったようですが、この普及版からは、縦書きに変更しています。
バーンスタイン一流の物語的語り口にピッタリの体裁に仕上がったわけで、以前よりもずっと読みやすくなっています。
まだ読んでいない人は、これを機にぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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株価予想は神業に近い困難な作業であり、これからも決して容易に
なることはないということは、これまでの学問的研究で明らかにさ
れている
ある瞬間における価格上昇の確率は価格下落の確率とまったく同じ
である。なぜならば「明らかに市場で最も妥当と考えられる価格は、
まさしく現実に成立している価格であるからだ。もし、市場が別の
判断をしているなら、その価格ではなく、別の高い価格か低い価格
が付けられているであろう」
いわゆるダウ理論の根底にあるのは、株価はいったんある方向に向
かうと、そのトレンドが弾みを失い反対方向に転換するシグナルが
出るまでは、慣性的な持続を続けるという仮説
マーコヴィッツの論文はみかけはとっつきにくいがその本当の意味
は肩の凝らないものである。その主旨を要約すれば、投資について
昔から言われている二つの鉄則を理論的に確認したにすぎない。
その1、虎穴に入らずんば虎子を得ず。その2、一つのカゴに全部
の卵を入れるべからず
マーコヴィッツの最も独創的な業績は、個別銘柄に関わるリスクと
ポートフォリオ全体のリスクを区別すべきであるという主張である。
ポートフォリオのリスクは、その保有銘柄のあいだにみられる共分
散によって決まり、個々の銘柄のリスクの平均とは関係ない
最も効率的な危険資産ポートフォリオを組成するためのマーコヴィ
ッツ流の銘柄選択の手続きと、ポートフォリオ全体をどのように危
険資産と安全資産に振り分けるかという意思決定とは、まったく分
離されうる
典型的な銘柄の価格変動のうちおよそ3分の1は、株価指数――す
なわち「最も重要なたった一つの影響力」――の動きをたんに反映
したものである
たしかに価格の水準はランダムなパターンをとらないが、価格の変
化は「概してランダム」となる傾向がみられた。ランダムな変化は、
定義により、まったく予測不可能である
平均的にみれば、情報は非常に早く伝達されるので、どんな一人一
人の投資家よりも市場全体のほうが情報をよりよく知っている
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『証券投資の思想革命』
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■目次■
第I部 株式相場の科学的研究の幕開け
第II部 全体と部分:ポートフォリオ理論の発想
第III部 偶然の悪魔:ランダム・ウォークと効率的市場の経済理論
第IV部 株の真の価値は何か
第V部 象牙の塔から街へ
第VI部 今後の展望
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