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『USPユニーク・セリング・プロポジション』 ロッサー・リーブス・著 Vol.2903


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【USP提唱者による不朽の名著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490321236X
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以前、日本経営合理化協会さんのセミナーで、サンギの佐久間社長とご一緒しました。

サンギさんと言えば、「芸能人は歯が命」で一躍話題となった高級歯磨き粉「アパガード」が有名ですが、社長曰く、あの広告には後日談があったそうです。

土井がお会いしたのは、ちょうどサンギさんがシェアを落としていた頃でしたが、その理由について、社長はこう語ってくれたのです。

「あのコピーを、何度もしつこく使い続けるべきだった」

そう、社長は広告代理店の提案に負け、せっかくの名コピーを新しい広告に変えてしまったのです。シェア低下は、その結果起こったことでした。

広告代理店が故意にやったのか、それとも単に無知だったのか、あるいは学んだけれどうっかり忘れてしまったのか知りませんが、いい広告コピーは、一度ウケたら簡単に変更してはいけない、というのが原則です。

オグルヴィの『ある広告人の告白』にしろ、ケープルズの『ザ・コピーライティング』にしろ、広告関係の名著の話を代理店の人にすると、大抵「それはもう過去の広告の話だから」みたいな顔をされますが、現場ではミスが繰り返されているのも事実。

※参考:『ある広告人の告白』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212033

※参考:『ザ・コピーライティング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478004536

やはりプロである以上、基本を見直す機会は持ちたいものです。

そこで役立つのが、本日ご紹介する、ロッサー・リーブスの、『USPユニーク・セリング・プロポジション』。

ロッサー・リーブスは、今日、われわれが当たり前のように使う「USP=ユニーク・セリング・プロポジション」の提唱者であり、小さな広告代理店だったテッド・ベイツ社を世界第四位の広告代理店へと押し上げた立役者です。

本書には、そのリーブスの広告の科学および哲学が盛り込まれています。

忘れられがちなUSPの三つの定義、大反響をもたらした歴史的広告コピー、そして間違った戦略で大失敗した企業の例…。

もしみなさんが「売る意識」を持った人であり、また知っていることとできることは全く違う、と理解している賢明なビジネスマンなら、ぜひ本書を読むことをおすすめします。

なぜなら、本書にはあらゆる商品を売る基本原理が書かれているからです。

もう一度基本に帰るために、またこれからの売り方を冷静になって考えるために、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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車輪にはスポークが何本もあるのに、支えているのはこの一本だ、などと言えるだろうか?

最近、われわれは実際に、ある広告主を見舞った悲劇を目の当たりにした。この広告主は売り上げを勝ち取る強力なキャンペーンで、六五パーセントもの浸透度を達成していた。それなのに、キャンペーンを変更したせいで、一年半後に、苦労して得た浸透度が二・二パーセントにまで落ち込んだのだ。すっかり消えてなくなったといってもいい

いまや大企業となったある製薬会社は、たったひとつの製品を基盤に事業をはじめた──そしてコピーを三一年間変えなかった

消費者はひとつの広告につき、ひとつのこと──ひとつの強い主張か、ひとつの強いコンセプトだけを記憶する傾向がある

広告のテクニックや仕掛けを使って浸透度を上げられれば、競争相手の浸透度は下げられる

◆USPの三つの定義 ※一部省略
1.広告はすべて、消費者に対して提案をしなければならない
(中略)「この製品を買えば、この便益が手に入ります」と
2.その提案は、競争相手が示せない、もしくは示さないものでなければならない(以下省略)
3.その提案は、数百万の人々を動かせるほど強力でなければならない

広告会社が有能な科学者のグループに自由をあたえ、大規模で無期限の調査と検証に着手すれば、根本的な違いが驚くほど数多く浮かびあがってくる──それまでは気づかれなかった、商品そのもの、あるいは使い方の違いだ

コピーは強力な先取りを突破できないが、より優れた新商品ならそれができる

染髪剤クレイロールの秀逸な広告はシンプルにこう言う。
“彼女は……しているの? していないの?”

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、バンドエイドを貼った卵が、透明なガラス容器にはいった熱湯に浸されている、という名広告を展開した。水どころか湯でさえ接着力を弱めることはない、という効果的な主張によって、この広告は言葉を使わずにUSPを伝えているのだ

広告全体で、感覚と独自な売りの提案(USP)とをともに伝えなければならない

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『USPユニーク・セリング・プロポジション』ロッサー・リーブス・著 海と月社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490321236X
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◆目次◆

はじめに
1.広告効果に関する、よくある間違い
2.引き寄せる広告、遠ざける広告
3.一億八〇〇〇万人の頭のなか
4.「おぼえてもらえる広告」の威力
5.買わせてこそ広告だ
6.“特別な強み”をもたらす真実の原則
7.広告の平均寿命は?
8.「数百万ドルの過ち」をくりかえすな
9.凸レンズが生み出す名キャンペーン
10.「記憶の箱」には限りがある
11.ここからが、本当のはじまりだ
12.ショーウィンドウのディスプレイでは役に立たない
13.USPの三つの定義
14.「礼賛」広告に効果なし
15.勝利へと続く三本の道
16.「偽りの差異」という罠
17.比較広告の是非に答える
18.USPと創造性は対立しない
19.フロイトに惑わされるな
20.誤解だらけの「モチベーション・リサーチ」
21.「言葉」と「イメージ」の組み合わせ方
22.計算ずくのリスクの法則
23.一貫させることの価値
24.CMテストの結果からわかること
25.どれだけ反復すると、くどくなる?
26.「邪魔になる主張」の例
27.効果を台無しにする映像の例
28.広告は道具である
29.「独創性」は危険な言葉
30.広告の新しい定義
31.収穫が増える種の蒔き方
32.「リアリティ・セル」とはいかなるものか
33.原則の応用範囲について
34.広告人にできること
35.もし広告がなかったら、何が起こるか
36.ピサの斜塔から砲丸を落とせ
監訳者あとがき

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『月給取りになったらアカン』瀬戸雄三・著 Vol.2902


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【営業からトップを目指す人、必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453231786X
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本日の一冊は、アサヒビール元会長であり、失速したスーパードライを復活させ、45年ぶりに業界トップシェアに導いた立役者、瀬戸雄三さんによる「私の履歴書」。

タイトルの『月給取りになったらアカン』は、起業家であった著者の父親が、「月給取りと先生になったらアカン」と語っていたことから取った言葉。

その意味するところは、こうだったそうです。

「昭和10年頃の月給取りは、毎日、会社に行けば働いても働かなくても月末には給料が自然に入ってくる。だからどうしても自分の人生に甘くなり、安易な生活を送ることになる。先生は崇められるたびに傲慢になる。人は謙虚でなければならない」

こんな教えを受けた著者だけに、仕事人生は「挑戦」の連続。上司に歯向かい、理不尽と戦い、何度も左遷を経験しています。

一方で、営業マンだったこともあり、取引先に対しては、礼を尽くし、たくさんのファンをつかむことに成功したようです。

経営者の自伝は、その人の出自によって色が出るものですが、本書の場合、著者が営業マンだったことが、色を添えています。

若い頃、顧客にたしなめられて覚えた礼儀やお詫び、人の心をつかむ技術、さらには営業マンの重要な仕事である、売れるヒントをつかむ働き…。

また、経営者になってから行った長崎での販売促進キャンペーンも、いかにも営業マンらしいアプローチです。

長崎は、アサヒビールがタンク約900本、総額400億円の発注をしていた三菱重工のお膝元ですが、著者はそこに目をつけ、長崎新聞にこんな広告コピーを掲載しました。

「三菱重工のタンクがスーパードライをつくる」

<トップ自ら動くことは、大事なことだ。「机に座っている暇があれば汗をかけ。動きながら考えろ」が持論だ>という著者だけあって、フットワークの軽さは目を見張るものがあります。

さまざまな人物と関係を築き、ビジネスチャンスをモノにしていく姿勢からは、ビジネスマンとして多くを学べます。

会社で干されている人、現在の待遇に不満のある人も、本書を読めば、元気が湧いてくるはず。

単なる「月給取り」で終わらないために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「社員は役者、リーダーは演出家」。演劇の舞台を見ればわかるように、演出家はいかに脚本を選び、よい舞台をつくるかということに専念すべきだ

商品の開発を巡っては、どのような消費者をターゲットに絞るのかも議論の対象になる。40代の働き盛りは、当時シェアトップのキリンビールと2位のサッポロビールにがっちりと押さえられていた。5000人調査では20~30代の人にとって、アサヒは知名度もシェアも極めて低いことがわかった。ただ、こうした若い層はビールの「キレ」の嗜好が強いことも調査が教えてくれた

鈴木さんはこっちを見てニコリとされた。「上場会社の社長さんで、うちの車でやってきたのは瀬戸さんが初めてだ。参った」

「スズキの軽自動車はなぜ人気なのですか」「それは機能性だよ。買い物をした女性が袋を持ちながら腰を屈めずに乗れるんだよ。それが機能性なんですよ」鈴木さんの言葉に、「なるほど。時代のキーワードは『機能性』だ」と直感する。東京への帰りの新幹線の中で、「機能性、機能性」と反芻した

「小川さん、『三菱重工のタンクがスーパードライをつくる』という広告を出したい。それも全面カラー広告で」

人は、その年齢にふさわしい失敗と学びをすればよい。新人なら若者らしい失敗をしたらいいと思う

社長業は駅伝と同じだ。必死で走り、順位を上げて、バトンを渡す。企業が若返るために

全身に電気が走った。笑顔と言葉と所作。すべてに心がこもっていた。自分のお辞儀は形だけだったのだ

1年後、このキャバレーは開店8周年を迎え、その記念日に置き時計を持参してお祝いに駆けつけた。驚かれたのは社長だった。「あれからアサヒは1本も置いていないが、瀬戸さんはうちの店のことを思っていてくれたんか。開店の記念日まで覚えていてくれた。ありがとう。1年間、浮気したけど、明日からアサヒを扱うようにするわ」

取ったり取られたりは日常茶飯事に行われているが、1軒だったらインパクトはなかっただろう。それを一夜のうちに奪取するという演出をすることで、社内外の話題となる。仕事にはやはり演出が必要なのだ

いろいろな世界を駆け足で見せてくれた父の口癖は、「金持ちの時は貧乏な顔を、貧乏な時は金持ちの顔をしろ」。この言葉は、人生を通して不易なものだと確信する

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『月給取りになったらアカン』瀬戸雄三・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆

第1章 ナンバーワンブランドをつくる!
    ―首位奪回への挑戦
第2章 脱線社員の点面作戦
    ―営業の原点
第3章 逆境は怖くない
    ―劣勢を跳ね返す仕事術
第4章 ビールとの出会い
    ―出生から就職まで
第5章 変化、挑戦、夢、感動
    ―人も企業も変化し続ける

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