2007年5月27日
『フェラーリと鉄瓶』
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569656439
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本日の一冊は、イタリアのトップデザインファーム、ピニンファリーナでフェラーリ創業55周年モデルなどのデザインを担当、同社のデザインディレクターまで駆け上がった著者が、イタリアのモノづくりの精神と、自らのデザインへのこだわりを記した一冊。
日本人でこんな最前線で活躍していた人物が存在する、というのも驚きですが、注目すべきはその仕事の裏に秘められた著者の精神。
「傑作は『足し算』からは生まれない」「今日の誰かではなく、明日の人のためにものを作る」といった言葉がじつに印象的です。
高級車ビジネスで成功したフェラーリ内部に伝わる考え方や精神も紹介されており、経営者にとっても刺激的な本だと思います。
著者によれば、「駆け足で、矢継ぎ早に生煮えの商品を世に出してきた結果、買う方も作る方も疲れてしまったのが、今の日本」。
本書には、日本が失いかけているモノづくりの精神を呼び覚ます、さまざまなヒントが散りばめられています。
モノづくりの喜び、さらには働くことの喜びを思い出すために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ものを通して人を感動させるというのは、ものづくりに携わる人に
とって究極の成果
アウディのダッシュボードと、よそのぱっとしないアメリカメーカ
ーのクルマのダッシュボードは、同じこのジョンソン・コントロー
ルズで作られています。別にアウディが特別料金を払っているとか
ではありません。自動車メーカーはどこもコストダウンに必死です
から、アウディもよそのメーカーも一緒のはずです。では、どこで
差が生まれるのでしょうか。それは開発の人やデザイナーが、どこ
まで「こうしてくれ」と生産条件を追い詰めることができるか。そ
れにつきます
デザイナーが経営者に自分のアイデアを売り込み、「ではそれがビ
ジネスで成功する保証はあるのか」と尋ねられた時に、「ある」と
言ってしまったらそれは嘘になります。デザイナーに限らず、それ
は誰にもわかることではありません。しかし、そのわからないこと
に対して責任を持って決断を下すというのが、本来の経営者の役目
デザインの作業の最初の三分の一は、正しい人を探して、その人か
ら正しい情報を引き出すことです。その次の三分の一は、その人の
ためのデザイン作業。多くの人がデザインの仕事だと思っている部
分ですね。そして最後の三分の一が、できたものの情報を正しい人
に正しく伝えること
なぜ一台少なく作るのかというと、フェラーリの創業者であるエン
ツォ・フェラーリが常に「需要よりも一台少なく作れ」と口にして
いたからです
人はフェラーリという「伝説」と一体になるためにそのクルマを求
めます。一方、フェラーリという会社はその「伝説」を築き上げる
べく、六十年の歴史の間で文字通り血を流す努力をしてきたのです
自分の中からアイデアを引き出すための道具やプロセスをしっかり
理解していることが、プロの条件
すべてのものは、人のために作られます。それも昨日や今日の誰か
ではなく、明日の人のためにものを作るのです
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『フェラーリと鉄瓶』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569656439
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第1章 カーデザインで諸国を遍歴
┃ 第2章 日本人の知らないイタリア
┃ 第3章 イタリアのものづくりに学ぶ
┃ 第4章 コミュニケーションとしてのデザイン
┃ 第5章 なぜフェラーリは高くても売れるのか
┃ 第6章 クリエイティブであり続けるために
┃ 第7章 カロッツェリア的ものづくりへの挑戦
┃ おわりに ――フェラーリと鉄瓶――
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