2008年10月14日
『サンクコスト時間術』斎藤広達・著
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【意思決定理論を仕事に役立てる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569701299
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本日の一冊は、シカゴ大学でMBAを取得し、BCG、シティバンク、ローランド・ベルガーを経て、ゴマ・ホールディングスの代表取締役を務める著者が、その仕事術を公開した一冊。
意思決定理論である「サンクコスト」(埋没費用)の発想を使って仕事することの必要性を説いたもので、若手ビジネスマンにとってはいい刺激になると思います。
土井がこの「サンクコスト」の概念を知ったのは大学の意思決定論の授業でしたが、その時、担当教授から「埋没費用に引っ張られると正しい意思決定ができない」と言われたことをよく覚えています。
おかげで、大学時代、いやいや通っていた英会話学校をやめ、すぐに他の勉強に励むことができましたし、株式投資やバイヤーの仕事でも、いわゆる「損切り」を平気でできるメンタリティが出来上がりました。
それはすべて、この「サンクコスト」発想によるものだったのです。
本書のコンセプトは、この「サンクコスト」発想を、仕事に生かそうというもの。
なかでも、Situation(状況判断)⇒ Time Left(残り時間)⇒ Best Answer(最善の答え)⇒ Action(アクション)の4つのステップ「S-TiBA」と、サンクコスト発想を使ったキャリア術は、重宝する考え方です。
人は失うことを恐れ、行動を自ら制限しますが、実際には捨てることで得るものもある。
本書を読んで、「捨てられる」人間になれば、つらい世の中でもきっと前向きに生きられるはずです。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「水に落ちたら、泳ぎがうまかろうがまずかろうが関係ない。とにかく這い上がらねば溺れる」(『月と六ペンス』の登場人物ストリックランドが言ったセリフ)
不確実な未来を少しでも自分の手でコントロールしようと思ったら、過ぎ去った時間に拘泥していてはダメ
無駄なサンクコストは、真っ先に捨ててしまうことが大切
◆S-TiBA
1.Situation(状況判断) 2.Time Left(残り時間)
3.Best Answer(最善の答え) 4.Action(アクション)
◆状況判断に必要な三つのポイント
1.ゴール意識 2.逆算式情報収集 3.シナリオ構成
仕事ができる人は、状況判断とシナリオ構成力に長けています
正しいゴールを設定するためには、俯瞰的に物事を見る姿勢も必要
普段から仕事に制限時間を設け、自分の標準工数を把握する
ゴールを決めたら、それを評価基準に「翻訳」する
◆ある事業に取り組む際の評価軸
1.短期目標がクリアできるか?
2.長期的な経営基盤を確保できるか?
3.会社としての強みを維持できるか?
キャリアマネジメントでは、サンクコストと自分の武器を分けて考えることが大切
なかったこととして処理したものが、将来自分を助けてくれる
コンサル時代からの習性で、新たにやるべき仕事が発生したら、まずはスケジュールを押さえます。ある企画が持ち上がって早々に事業化する場合、最初にすべきは関係者との打ち合わせです。その時間を確保して、ようやく動き出しの準備ができます。コンサル業界の人は、これを「初動を確保する」と言います
分厚い本を読み終わって、「三行分の示唆があった」と思うのと、「ほとんどが意味なかった」と思うのでは、気分が違うもの。もともとせんみつな世界なのですから、ぼやくよりも前向きな姿勢で生きたいものです
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『サンクコスト時間術』斎藤広達・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 時間は、「今」と「未来」しかない
第2章 サンクコスト時間術は、S-TiBA(エスティーバ)発想で
第3章 S-TiBAをマスターして、時間を最大限に活用する
第4章 サンクコスト発想で成功した企業たち
第5章 サンクコスト時間術 ティップス(小技)編
第6章 サンクコストとの出会い
あとがきにかえて
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