2008年2月17日
『意味への意志』V・E・フランクル・著
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【フランクル博士の哲学?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4393364201
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本日ご紹介する一冊は、ナチスドイツ下の強制収容所での体験を描
き、不朽の名著となった『夜と霧』の著者、V・E・フランクル博
士による論考。
※参考:『夜と霧』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622039702/
アマゾンでは品薄か絶版状態で入手困難な一冊ですが、生きる意味
を失いがちな現代にあって、意味を求めることの本質を説いた、じ
つに読み応えのある一冊です。
著者の過去の講演内容を4部構成でまとめたもので、内容は、それ
ぞれ「意味への意志」「時間と責任」「ロゴスと実存」「科学の多
元論と人間の統一性」となっています。
過去の哲学者たちの主張を引用しながら、「人間とは意味を求める
存在である」という本質に迫っていくのですが、なかでもインパク
トがあったのは、以下の言葉。
「人間が実際に欲しているのは幸福であることの根拠を持つこと」
「意味を探し求める際に、人間を導くのが良心」
「人生において重要なのは、しかし、意味を与えられることではな
く、意味を見出すことなのです」
この3つの言葉を眺めていると、自ずと人が幸せに生きるヒントが
見つかる、そんな気がします。
ぜひみなさんも読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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自己実現を直接的に追求する人々は、人生の使命から切り離されて、
実際に自己実現を達成することはない
つまり、人間が実際に欲しているのは幸福であることの根拠を持つ
ことなのです
人間が幸福感を直接に目指せば目指すほど、彼は幸福でありうる根
拠を見失い、幸福感そのものは崩壊するのです。言い換えれば、幸
福とは結果としてついて来るものでなければならず、目指して得る
ことのできないものだということです
人生において重要なのは、しかし、意味を与えられることではなく、
意味を見出すことなのです
意味を探し求める際に、人間を導くのが良心です
われわれは無意味感の蔓延する時代に生きています。こんなわれわ
れの時代には、教育は、単に知識を伝えることだけでなく、良心を
洗練することをも心がけなければなりません
人間、とくに神経症を患っている人間に必要なものは、まさに自分
自身の責任をできるだけ意識することにほかならない
自分が責任ある存在であるという意識を人間は抑えつけているので
す。彼は自由を否定します。しかも、自由の敵役である運命をいつ
も持ち出すことによってそうするのです。そしてその結果、彼は自
由を失ってしまうのです
人間が自由であるということは、すべて究極的には、まさに決定能
力を有するということにほかなりません
ペシミストとはあたかも、壁掛け用の日めくりカレンダーの前に立
って、それを毎日剥がしながら、どんどん薄くなっていくのを物憂
げに眺めている人に喩えられます。これに対してオプティミストと
は、剥がした日めくりをそのつど、これまで剥がしたものの上にき
ちんと重ね、その裏面にその日にしたことや体験したことをメモす
る人に譬えられます
われわれが何かをひとたび<<時間のなかにもたらす>>やいなや、つ
まりわれわれの人生から何かが<<時間のなかにもたらされる>>やい
なや、それはおのずから永遠化される
愛されうるものは、愛することよりも先に存在しています
死よりももっと問題なのは、あるいは総じて人間が自己の前に[未来
に]有しているものよりももっと問題なのは、人間が自己の後に[過
去に]残すものであります
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『意味への意志』V・E・フランクル・著
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◆目次◆
初版への序文
I.意味への意志
II.時間と責任
III.ロゴスと実存
IV.科学の多元論と人間の統一性
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