2006年12月31日
『日本人の心を動かした政治家の名セリフ』
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本日の一冊は、歴史に残る名政治家たちの人心掌握術を、作家・政治史研究家の著者がまとめた一冊。
西郷隆盛、伊藤博文、原敬、田中角栄など、近代日本を作り上げた偉人たちのエピソードから、人々に愛されるリーダーの原則を導き出した、興味深い一冊です。
タイトルには、「名セリフ」とありますが、実際にセリフが引用されている箇所は少なく、むしろリーダーシップや人心掌握の技術をまとめた本と言えそうです。
政治家について書かれた本ではありますが、その原則のほとんどは、ビジネスの現場でも役立つものばかりだと思います。
傷ついた部下を見捨てないこと、私利私欲を排すること、謙虚でかつユーモアを携えておくこと…。
それぞれのエピソードから導かれるリーダーシップの原則は、きっと読者をさまざまな場面で助けてくれると思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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部下を見捨てない、というのは、単に助けた部下から感謝されるに
とどまらず、リーダーが部下を決して見殺しにしないという状況を
他の者たちが見ている、その効果が大きいのである
人の器を論じる時、もっとも器が大きいのは、そもそも器自体が存
在しないという人である
「落差」と「身近」。実はこれが、人々を魅了する西郷のカリスマ
性を形づくっている
人の気持ちをはかれないような人物では、とてもではないが人はつ
いていかない
ある人物が世に出て、出世をしていくというのは、その人が人から
利用される価値がある、人が利用できる能力があるからである
人材は単に発掘しただけでは役に立たない。それをどう遊泳させる
かが、リーダーの腕の見せどころである
どんなに金があろうと地位が上がろうと、若い時分に世話になった
ところを、原は決して見捨てないのである
名誉を求める相手には名誉を、地位を求める相手には地位を、金を
求める相手には金を得られるようにしてやるのが、原のやり方だった
原のお金に対する苦慮というのは、お金をどうやって集めるのか、
ということではなく、どうしたら筋の悪いお金を掴まずにいられる
か、ということであった
何をしても、たとえ言葉に出さなくても、「この人は感謝してくれ
ているな」と思われると、人はまた何か親切にしたくなる
◆選挙資金を全国各地の議員たちに持っていくときの、早坂茂三秘
書と田中角栄とのやり取り
「『ホレ、くれてやる。ポン』なんていう気持ちがお前に露かけら
ほどもあれば、相手もすぐわかる。それでは一〇〇万円渡しても一
銭の価値もない。届けるお前が土下座しろ」
「まず、『選挙資金は潤沢だとは思いますが』そんな奴はいないが、
せめてもの礼儀だ。そう切り出せ」
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『日本人の心を動かした政治家の名セリフ』
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■目次■
序章 人の心を掴む政治家はどこが違うのか
第一章 英雄の謙虚さ~西郷隆盛の場合
第二章 私欲をかなぐり捨てる~伊藤博文の場合
第三章 徹底的な優しさ~原敬の場合
第四章 ユーモアと”隙”~吉田茂の場合
第五章 タテマエに隠れた真意~大野伴睦の場合
第六章 バカ正直者か、巧みな人事操縦か?池田勇人と佐藤栄作の場合
第七章 気くばりと明るさ~田中角栄の場合
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