2011年2月1日
『挫折力』冨山和彦・著 vol.2386
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【自分の器を大きくする考え方】
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大学生の頃、買ったばかりのジャケットを自転車に引っ掛けられ、無残にもポケット部分を破られたことがあります。
貧乏な学生時代ですから、それはそれはショックを受けました。
近所にたまたま服の修理屋さんがあったため、そちらに行って直してもらったところ、やや傷跡は残ったものの、きれいに縫い合わせてくれました。
心ない人のために買ったばかりのジャケットを傷つけられ、修理代も払ったわけですが、一生懸命縫ってくれたその縫い目を見て、一つ付加価値が加わった気がして、嬉しくなったのを覚えています。
人はいったん傷つくと、それで世界が終わったような気持ちになるものですが、人間が不完全である以上、修正しながら生きて行くのが健全なあり方だと思います。
そういう意味で、ビジネスマンにおすすめしたいのが、本日の一冊。
司法試験に失敗し、就職先のBCGを一年で辞めながらも、ビジネスマンとして活躍し、産業再生機構COOにまでなった著者が、その「挫折力」を語った一冊です。
挫折から立ち直る方法も書いていますが、興味深いのは、自分の器を広げるため、そして打たれ強さを身につけるために、積極的に挫折することを勧めている点。
著者の言葉を借りれば、「挫折とは、ある意味、能力以上のことに挑戦した結果であ」り、それゆえに「人としての伸びしろとなる」と著者は言うのです。
じつに骨太で熱い内容。現在落ち込んでいる方、危機に直面している方に、ぜひ読んで欲しい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「挫折をしない人生ほど窮屈でつまらないものはない」
「挫折をした人だけが、実り多い豊かな人生を送れる」
倒産という現実を突き付けられたからこそ、無駄は省かれ、人も一致団結する
簡単に手に入る成功体験を集めているかぎり、自分の人間としての枠は、実に小さいままだ。おまけにその枠から少しでも自分の人生がはみ出ると、絶望的な気分に陥る
「いい人」のリーダーには、会社全体の未来のためには、創業の同志、社員、OBからの憎悪を一身に受けてもかまわないという覚悟がない。だから、情に流されて決断のタイミングを逃す。その結果、倒産に至り、より多くの人の人生を壊すはめになるのである
「有事」に立ち向かえるのは、「覚悟」と「マキャベリズム」を備えている人間
結果的に失敗しても後悔しないものの決め方は、自分の好きなほうを選ぶこと
世界中から「正解」らしきものがどんどん消えていってしまうのが現代という時代の特徴である
挫折を知るとは、敗者を知ることでもある
自ら能動的、建設的に考える力、現実的で実行可能な提案を行う能力は、万年野党精神では絶対に身につかない
何でも反対という人物は、権力の持つ可能性と限界、そしてその本当の怖さを知らない
最低限、飯が食えて、夜露がしのげる場所があれば、人間は基本的に生きていける。いや、そのことのありがたさが身に染みていれば、大抵の失敗や挫折は受け流せるものだ
退路と撤退のロジスティクスを秘かに準備しておくことは、リーダーとしての必須の責任
家族の期待値を、将来の挫折リスクを織り込んだものに調整してあれば、いざというときに家族の心が折れることも起きにくい
生活費の中の固定支出は低めに設定しておく
人間にとって知識や知性、あるいは道徳や倫理といった高尚な事柄は、性格とインセンティヴというOSの上で動くプログラムにすぎないのかもしれない
私は、相手をどこまで信用できるかは二つの変数からなっていると考えている。一つは「その人物が人間的にどこまで信用できるか」、もう一つは「その人の置かれた立場がどこまで信用できるか」である
行き詰まった会社のリーダーに求められるのは、「引き算」の発想
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『挫折力』冨山和彦・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 挫折こそが成長への近道
第2章 挫折に打ち勝つ力(1)ストレス耐性を高め、挫折と折り合う技
第3章 挫折に打ち勝つ力(2)人間関係の泥沼を楽しみ、糧にする技
第4章 挫折に打ち勝つ力(3)捨てる覚悟を持つための技
第5章 挫折に打ち勝つ力(4)リアルな「権力」を使いこなす技
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