2009年5月7日
『多読術』松岡正剛・著
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【知に広がりをもたらす多読の技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480688072
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本日の一冊は、インターネット上で「千夜千冊」を展開し、イシス編集学校校長としても活躍する松岡正剛さんが、その多読術を公開した一冊です。
読書術に関する本は山ほどありますが、そのほとんどは効率的な読み方について述べられたもの。
その点本書は、読書が本来持つ「無知から未知へ」というプロセスを前面に打ち出し、知のネットワーキングを楽しめる読書術を説いており、参考になります。
場所を思考や表現の下敷きにすることで二重進行を可能にしたり、自分だけの”三冊つなぎ”を作りあげたり、また、類書や似たような本はなるべく一緒に読むなど、いかにして知を連結させていくか、著者独自の知恵が紹介されています。
著者が実際に作ったという「年表」や「引用ノート」も、読書を深める上でじつに有用な手段だと思います。
紹介されている本のラインナップだけを見ると、いかにも知的で敷居の高い本ですが、ときに「『空振り三振』するのも、とても大事なこと」などといった励ましのメッセージが入っており、読書を愛するすべての人が参考にすべき一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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読書って二度するほうがいいんです。同じ本をね。というのは、読書にはその本のこととはべつに、いつ読んだのか、どんな気分で、どんな感受性のときに読んだのかということが、密接にかかわっている
ぼくは自分がつきあったり、師事してみたくなった人の本は必ず読むということを徹底するんです。これも実は多読のコツかもしれません
場所を思考や表現の下敷きにしていると、二重進行が可能になるんだとわかった
やっぱり読書の頂点は「全集読書」
読書というのはね、そもそもがマゾヒスティックなんです。だから、「参った」とか「空振り三振」するのも、とても大事なことです
ヘッドラインはそのメディアの歌い文句をあらわしている。歌でいうなら「サビ」の部分なので、それが気にくわなければ読まないほうがいいでしょう(中略)また、ヘッドラインにふさわしい記事内容になっているかどうかも、判断基準です
こちらが無知だからこそ読書はおもしろいわけで、それに尽きます。無知から未知へ、それが読書の醍醐味です
なぜマーキングするといいのか。すこぶる有効なことがあります。ひとつは読みに徹することができるということ、集中しやすいんですね。もうひとつは、再読するときにやたらにスピードが上がるということです
メッセージが途中で変化しているのに、それでもコミュニケーションが成立すると思えるのはどうしてか。それは、社会のどこかに必ず「理解のコミュニティ」があるからです。そういう”理解の届け先”をそれぞれが想定しあっているからです
コミュニケーションでは「メッセージが通信されている」のではなく、「意味を交換するためのエディティング・モデルが動いている」
人類の歴史は音読を忘れて黙読するようになってから、脳のなかに「無意識」を発生させてしまったのではないか
極端にいえば、自分だけの”三冊つなぎ”を作りあげるべきなんです。そこにこそ多読術が始まっていく
◆読書の3R
リスク、リスペクト、リコメンデーション
類書や似たような本はなるべく一緒に読むか、近い時期に読むかによって、想像以上に速く読めますし、アタマにも入りやすい
そもそも思考や表現の本質は「アナロジー」であり、「連想」である
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『多読術』筑摩書房 松岡正剛・著
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◆目次◆
第一章 多読・少読・広読・狭読
第二章 多様性を育てていく
第三章 読書の方法をさぐる
第四章 読書することは編集すること
第五章 自分に合った読書スタイル
第六章 キーブックを選ぶ
第七章 読書の未来
あとがき「珈琲を手にとる前に」
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