『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』齊藤正明・著


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【突然、マグロ船に乗れと言われたら?】
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みなさんは、会社の上司に、ある日突然「マグロ漁船に乗れ」と言われたらどうしますか?

本日ご紹介する一冊は、マグロの「鮮度保持剤」の開発に取り組んでいた著者が、ある日突然マグロ漁船に乗ることになった話を書いたもの。

身長169センチ、体重56キロの細身の著者が、マグロ漁船に乗って漁師たちと生活を共にする。

陸の常識にとらわれていた著者が、海の教訓を受けて変わって行く姿が、じつに興味深い。

なかでも親方の教訓は、人生や勝負事の鉄則が説かれており、じつにいい勉強になります。

親方の話をうけた後の著者の説明が説教臭いのが玉に瑕ですが、マグロ漁船の裏話や親方の教訓は読み応えがあり、これまでのビジネス書にはない魅力を放っています。

陸の世界の閉塞感を打破するために、ぜひ本書を読んで、マグロ漁船を疑似体験してみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ええか、齊藤。おいどーらがマグロを捕りに行くとき、一番大事なことを知っちょるか?」
「それは『決める』ことど」
「決めないといつまでも海をウロウロすることになるんど」
「マグロが捕れるかどうかは、じっくり考えても、すぐに決めても、結局、確率は50%ど。それであれば、早めに舵を取ったほうがええ。ダメだったら次の漁場に移動すりゃええことじゃねーか。決めた回数を多くすれば、漁ができる回数も増やせるからの」

「『毎日がつらいです』なんぞ、毎日メシが食えているやつが言うかい! 世界には、メシが食えん人らが大勢いるんど」

「人間はの、幸せのなかにいるときは、幸せに気づかんもんよ。マグロだって、海にいるときには、自分の幸せにはきっと気づいておらんち。おいどーらが釣り上げると、マグロはバタバタと大暴れしよる。海から引き離されて初めて、海のありがたみがわかったんじゃねーんかの?」

「結果にばかりこだわると、その途中にある、おもしれーもんや、役に立つことを見逃すんど」

「齊藤ら陸の人たちは、人間ではどうにもならんことまで、なんとかしようとしちょる。それが疲るる原因よ」

「たいていの人が言う努力は、やったことが、3回に1回うまくいくことを望んでいるように聞こえるの。マグロ漁の場合は、単純な計算じゃが、100本の釣り針に1匹マグロがかかるぐらいど」

海では誰もが完璧になろうと思わない

「『完璧』を目指せば目指すほど、自分にできないところが目立って落ち込む。結果、完璧とはより遠くなるんど」

「他人からわかってもらおうとするからつれぇんよ。自分が自分の仕事に楽しさと誇りを持てば、あとは世話ねぇ話じゃ」

「人の言うことを聞くやつは、その場はいい子になれるが、いざというときに弱い。人の言うことを聞くってことは、自分なりの判断基準を持っちょらんことじゃろ?」

「齊藤は、自分のなかに計器を持っちょるか? 船は、計器やらがあるから、海の真ん中でも迷子になりよらん。これは人も同じど」

「『便利になれば幸せになる』、そんなん全部幻ど。むしろ、不便なほうがみんなで助け合ったりして、心のなかに幸せを感じるし、難しいこともできるようになるんど」

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『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』毎日コミュニケーションズ 齊藤正明・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 海の男はストレス知らず
第2章 海と向きあえば自分がわかる
第3章 海の男は仕事を楽しく変える
第4章 マグロを釣るために必要な考え方、ものの見方
第5章 基本に忠実であれ! 時に大胆かつ賢くふるまえ!
第6章 マグロ船で学んだ 人を活かすコミュニケーション術
おわりに
参考文献

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