2010年7月15日
『ブレーン・ハッカー』デイビッド・マレイ・著 vol.2185
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【アイデアは「借り」なさい】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781603998
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“アイザック・ニュートンは、微分積分法の盗用で訴えられ、取り調べを受けた。そして、彼は「私はさらに遠くを見るために、巨人の肩の上に乗った」と供述して、抗弁に成功した”
これは、本書の冒頭で登場する、ニュートンの創造に関するエピソードです。
賢明なBBM読者のみなさんなら既にご存知の通り、アイデアとは、既存のものの組み合わせで生まれるもの。
そして、古代ギリシアの彫刻がエジプトの模倣から始まったように、オリジナリティあふれる創造は模倣から始まるのです。
本書の著者、デイビッド・マレイは、ニュートンの「自然哲学の数学的諸原理」に触発され、工学部卒業後は航空宇宙エンジニアとして、スペースシャトル、次期戦略ミサイル、国際宇宙ステーションなどをNASAと協働設計・建設した人物。
翻訳を本田直之さんが担当していることからも、本書がクレバーなアイデアを紹介した本であることが予想できると思います。
土井もどちらかというと、周囲にアイデアをマネされる方ですが、気に入らないのは、マネの仕方にエレガンスがないということ。
本書には、歴史上の偉人たちが、いかにしてエレガントな模倣をし、それをオリジナリティに昇華して行ったか、そのプロセスが書かれています。
広く知られているスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの模倣の話、ダーウィンやフレミングの発見、そして男性からアイデアを借りたココ・シャネルまで、古今東西の偉人の創造の秘密が、この一冊に詰まっています。
アイデア発想本を読んでいる方にとっては、既知の内容も多いと思いますが、それでも読んでいて知的刺激を味わえる本です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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創造の秘訣は「出所を隠す」ことだ
21世紀の幕開けとともに、情報は日用品となり、次の段階である「概念の時代」へと進むことになった
アルバート・アインシュタインの伝記にもこう書かれている。「問題をはっきりさせることは、解くことよりもずっと大切だ」
元CIAアナリストのモーガン・ジョーンズの著書『考える人の道具』によると、人びとが問題を定義するときにもっとも犯しがちな間違いは、「範囲を見誤る」ことだという
観察とは、「パターンの創造と破壊を研究する」という行為だ
アレクサンダー・フレミングは、研究室に放置していた培養皿に生えたカビに見られる、一貫したパターンを観察した。そして、「ある皿のカビの周りには、細菌が繁殖していない部分がある」という、パターンの破壊に気がついた(中略)彼はその皿を取っておいて、後で細菌を破壊した物質を取り出した。その抽出物は、ペニシリンとして知られるようになった
解決策は、似たような問題のある場所で見つかる
「すべての問題は、それを解決に導くための種を宿している」(ノーマン・ヴィンセント・ポール)
橋も、ビルも、弾道ミサイルも、ロボット戦士も、とにかくどんな構造物においても、材料がその形を決める
ライバルからアイディアを借りると、卑しい海賊だと思われがちだ。ところが、自分と違う業界から借りると、創造の天才だと思われる
トーマス・エジソンはこう言った。「私はどんなところからも、アイディアを進んで吸収する。しばしば、最後の人がやめたところから始める」
他の生物学者たちが世界を旅して、さまざまな植物や動物の間の微妙な違いを見つけて、種を分類し、目録を作っている間、ダーウィンは正反対のこと、つまり似たものの目録を作った
シャネルは男性からアイディアを借りた
偉大なる知性は疑い深い
創造的な思考では、感情を利用しよう。興奮しよう。怒ろう。喜ぼう
有能な思想家とは、厳しい批評家であり、疑い深い。だから、否定的な判断が得意だ。独創性は、不信に根ざしているのだ
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『ブレーン・ハッカー』イースト・プレス デイビッド・マレイ・著
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◆目次◆
はじめに これこそ究極の「発想の転換」
「コペルニクス」たちの“目と頭”を借りる法
1部 創造的アイディアの「建設」
巨人の「頭脳」の“いいところ取り”する!
1.定義する─「解決しようとしている問題を定義する」
2.借りる─「似たような問題のあるところから、アイディアを借りる」
3.組み合わせる─「借りてきたアイディアを、結びつけ、組み合わせる」
2部 創造的アイディアの「発展」
巨人の「頭脳+α」で行動する!
4.培養する─「組み合わせた材料を培養して、解決に導く」
5.識別する─「解決策の長所と短所を見分ける」
6.育てる─「短所を排除し、長所を伸ばす」
結 論
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