『できる大人の”一筆添える”技術』むらかみかずこ・著


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【春です。手紙を書きましょう】
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仕事がら、本選びについてアドバイスを求められることがありますが、本には、「読みたい本と読みたくない本」「ためになる本とためにならない本」の2軸があると思っています。

一番いいのは、「読みたい本でかつためになる本」ですが、こればかりだと、人間の成長の幅は限られてしまいます。

「読みたくない本でかつためにならない本」は読まないのが当たり前として、問題は、「読みたいがためにならない本」と「読みたくないがためになる本」の選択でしょう。

この場合、多くの人は「読みたいがためにならない本」を選んでしまいがちですが、自己の成長を考えた場合、読むべきは「読みたくないがためになる本」だと思います。

その意味で、本日ご紹介する一冊は、土井にとって「できれば読みたくない本」でした。

なぜなら、普段仕事関係のやり取りをすべてメールで行なっている土井にとって、「手紙」は苦手中の苦手だったからです。

前々から、年配の方や、全国からお便りをくれる方に、「いつか手書きのお手紙を返したい」とは思っていました。

やる気を出すために伊東屋で高い便箋を買いましたが、それでもやる気が起きず、いまだに目の前にある始末。

気がついたら、便箋を買ってから、1年以上が経っていました。

そんな土井が本書を読んで、まずガツンとやられたのは、以下の文章です。

「仕事が忙しくなると、どうしても丁寧さがないがしろになりがち。心のどこかで「これではいけないな」と思いつつも、時間に追われて、つい手間を惜しんで、味も素っ気もない対応に終始してしまう……あなたも、身に覚えがありませんか?」

さらに本書には、こんなことも書かれていました。

「人づきあいにおいて大切なのは、手間を省くことではなく、『ひと手間かける』こと

最近は、効率化ブームですが、人間関係において、あるいは商売において重要な「信用」というものは、「効率化」からは生まれません。

そういう意味で本書は、現在のトレンドと真逆を行っていながら、じつはビジネスに役立つ、すごいノウハウを書いた本なのです。

仰々しい手紙ではなく、一筆箋を使って感謝の気持ちを示す。1枚のハガキでご挨拶をする。自分らしさを表現するためにインクや切手を選ぶ…。

筆記具の選び方や買い方、書き方のノウハウが書かれており、まさに「手紙マニア」の著者ならではのこだわりが感じられる一冊です。

初回1万部限定という「謹製・ミニ一筆箋」が入っていたのにも、驚きました。

アナログコミュニケーションで他者と差をつけたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人づきあいにおいて大切なのは、手間を省くことではなく、「ひと手間かける」こと

それがたとえほんの数行でも、手書きの手紙には、ただ「手書きである」というだけで、すでに価値があるのです

「自分のために、わざわざ書いてくれたんだ」という喜びが、好意や信頼、感謝となって跳ね返ってくる

◆一筆箋に書く「ひと言書き」
ほんの3~5行でOK。「拝啓」「敬具」などの形式張った言葉も必要なし。ものの数分、慣れてくれば1分もあれば書き終わります

せっかく書類や荷物のやりとりをするのに、手書きの「ひと言書き」を添えないのは、どうしてでしょうか

A4サイズの資料を郵送するときには、まず資料をクリアファイルに入れ、次に一筆箋が資料のいちばん上にくるようにファイルに挟みます

◆一筆箋の選び方
1.筆圧が強い、あるいは書く文字が大きい人は、罫線が少なく行
間隔が広いものを選ぶ
2.小さな文字でたくさん書きたい人や、伝えたいことがたくさん
あるときは、罫線が多く行間隔が狭いものを選ぶ

年配の人や企業の管理職、経営者など、人の上に立つ人は、縁起ものを大事にする傾向が強い

いつものメモ用紙を一筆箋に代えるだけで、職場の雰囲気がどことなく華やかな、人間味のあるものに変わる

自分の中で「ハガキを出すタイミングを決めておく」

誕生日当日に到着するようにポストに投函しようと思うと、毎日のあわただしさの中でついうっかり忘れてしまいがちですが、誕生月でOKと思えば、気が楽ですね。たとえば毎月1日に、その月生まれの人に送ると決めておきます。すると、一度に送れるので手間を最小限にとどめられます

手紙好きとしても知られるワタミの渡邉美樹社長は、手紙を出すとき、必ず記念切手を貼って送るのだとか

筆圧が強く文字を大きく書く人は、存在感のある国際交流記念切手やスポーツの絵柄の切手を。筆圧が弱く文字を小さく書く人は、より上品な印象になるように、風景画や淡い色合いのやさしいデザインの切手を選んでみてはいかがでしょう

お悔やみの手紙、お祝いの手紙には慶弔用の切手を貼ると、TPOをわきまえた好感の持てる手紙になります

手紙の第一印象を決めるのは、インクの風合いによるところが大きい

3年ほど前、裏面いっぱいに、筆文字でたった2文字、「感謝」とだけ書かれたポストカードを受け取ったことがありますが、そのインパクトは、今でも忘れられません

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『できる大人の”一筆添える”技術』ディスカヴァー・トゥエンティワン むらかみかずこ・著
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◆目次◆
はじめに
STEP-1 いつもの書類をひとつ上に 「一筆箋」を添える
STEP-2 感謝の気持ちが信頼関係のはじまり 「ハガキ」を送る
STEP-3 慣れてきたら遊びを取りいれて 「記念切手」で印象を高める
STEP-4 もっと相手に喜ばれるために 「筆記具」で気持ちを伝える
STEP-5 書くのが苦にならない もらってうれしい手紙の「書き方のコツ」
おわりに

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