2008年12月8日
『「できない人」の育て方 辞めさせ方』谷所健一郎・著
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【「できない人」をしくみで育てる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490311189X
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本日の一冊は、1万人以上の面接を経験したという人事のプロが、入社後の社員のフォロー体制、ノウハウについて述べた一冊。
タイトルだけを見るとかなりきわどい本ですが、内容は、できない社員をどうやってできる人に育てるかを述べた、前向きなものです。
単なる上司の好き嫌いではなく、客観的に社員の「できる」「できない」を見定める方法を書いており、万が一「できない」となった場合にも、どうやって意識喚起をするか、細かく書かれています。
そして本書の最大のポイントは、単なる心構えにとどまらず、社員を育てるためのしくみ作りとツールについても触れられていること。
A4の紙1枚で職務分析を行う方法、新入社員をケアするためのブラザー、シスター制度の導入、社員の能力を把握するためのキャリアシートなど、かなり具体的に書かれているので、即実践できるのがポイントです。
また、残念ながら解雇となった場合の手続きや、法的問題、心のケアなど、実務で必要な点が過不足なく書かれており、現在、雇用の問題を抱えている経営者、人事にとってはかなり重宝する一冊だと思います。
第1章の「『できない人』のタイプとその対応策」がやや説教じみているのが気になりましたが、全体的には実践に即した、読み応えのある本だと思います。
最悪の事態を想定することで、現状を改善できることもある。
そういう意味で、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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採用後の社員の動向に無頓着になってはならない
「自分はこの会社にとって必要な人材なのだ」と認識させることが、「できる人」に育つための基軸
「できない人」と決め付けてしまう前に、「できる人」に育てるために何をしたかを考えてみなくてはならない
業務に関連性のない資格取得に熱中している人は、会社にとって「できない人」だ。資格取得に生きがいを見つけ、肝心の仕事から目をそむけている可能性が高い
いくら丁寧な仕事をしても、納期を守るという時間の概念がなければ、いつまでたっても周囲から認められず、「できない人」のレッテルを貼られてしまう
社員同士、敬語を使うような環境を構築しよう
報告を受ける側は、忙しい場合でもできるかぎり報告を歓迎する表情、態度で接しよう
専門知識が不足している場合、本人の自尊心を傷つけないよう自主的に学習することを勧めてみよう
愛情がなく、指示、命令だけを行う上司のもとでは、部下の仕事も思いのない殺伐としたものになる
部下の成長がなければ、上司の成長もない。人を育てられない上司は、いくら優秀でも評価しないという経営者の一言が重要だ
上司が部下との約束を忘れていても、部下はずっと覚えている
キャリアプランを示すときは、「頑張ればマネージャー」という曖昧なものではなく、マネージャーに昇格するためには、何をすべきか、どのような実績を作れば昇給するのかをなるべく具体的に示す
実績だけを評価する社風では、人材は育たない。ビジネスとして成果を上げられなくても、そこに至るまでのプロセスを評価し、認めることでチャレンジ精神が養われる
入社日に事務用品などの備品をきちんと用意し、入社を歓迎している姿勢を示す
女性の部下に結論だけ述べてもモチベーションは上がらない
自己都合と退職勧奨による退職では、失業給付の待機期間が前者が3ヶ月で後者が7日となる。会社都合の退職勧奨は、短期間で失業給付を受給できることを説明すると納得するケースもある
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『「できない人」の育て方 辞めさせ方』C&R研究所 谷所健一郎・著
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◆目次◆
はじめに
序 章 「できない人」を採った責任は誰にある?
第1章 「できない人」のタイプとその対応策
第2章 「できない上司」のタイプとその対応策
第3章 「できない人」を「できる人」に変えるモチベーションアップ術
第4章 「できない人」を「できる人」に育てるスキルアップ術
第5章 「できる人」を辞めさせないようにするには?
第6章 「できない人」を辞めさせるには?
付 録
おわりに
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