『<貧乏>のススメ』齋藤孝・著 vol.1973


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【いつも心に<貧乏>を】
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16歳の夏休み、アメリカでホームステイをした後、カリフォルニアのディズニーランドを訪れました。

子ども心に、「さあ遊びに行くぞ!」と思った矢先、ベンチに座っている日本人のおばさん2人に声をかけられ、こう言われました。

「いいわねえ、あなたたちは若くて。私たちみたいに年をとっちゃうと、何を見ても『ああ、こんなもんか』って思っちゃうのよね」

これを聞いた土井は、衝撃を受けました。

どんなに感動的なサービスでも、受け取る側の感性がさびついてしまえば、何の変哲もない平凡な体験に変わってしまう。

この出来事から、土井は人生で大切な一つの教訓を得ました。

それは、「今しかできないことをやることが、人生を充実させる秘訣だ」という教訓です。

年をとってからでは、楽しめないものがある。同時に、若いうちはまだ理解できず、楽しめないものもある。

だから、人生で大切なことは、今いちばん刺激的なことをやることです。

では、若いうちにしか楽しめないものとは一体何でしょうか。

それが、本日紹介する本のテーマでもある、「貧乏」です。

貧乏は、長い目で見て、人生に大きな力をもたらします。その力を、著者の齋藤孝さんは、こうまとめています。

1.貧乏長屋のように貧乏そのものを楽しむ
2.貧乏を二度と味わいたくない、その思いをバネに成功をめざす

本書で書かれているのは、この「貧乏そのものを楽しむ」秘訣と、「貧乏をバネに成功」した人々のエピソードです。

貧乏ゆえに独学で学んだ安藤忠雄はじめ、さまざまな著名人のエピソードと、貧乏を力に変えるノウハウが目を引きます。

自らの感性を高めるために、また心のエネルギーを蓄えるために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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古今東西の偉人はもとより、市井の人たちを見わたしても、人として「豊かさ」をもっていると感じる人たちには、みな、<貧乏>な要素がある

貧乏人には力があります。財力は乏しくとも、それを補うだけの自由な時間、自由な心、考える力、創造する力があります。真の貧乏人とは、これら諸力を備えた者のことを指すのです(『貧乏神髄』)

お金がある一年はあっというまに過ぎる。私自身、比較的余裕のある生活をしているときよりも、貧乏で暮らしていた時期のほうが「長かったな」と思う。体験が深いこと自体が人生の価値だ

貧乏時代に出会ったものは捨てられない。そして、それを持って来世に行きたい。そう思うと、貧乏時代にちょっと希望が見えてこないだろうか

先生のいちばん大切なものをつかみとる! そのような飢えた野獣のような感性、学ぶ感性があるかどうか。たんなる知力だけでは不十分だ。学びにも感性が必要だと私は思う

お金があるとどうしても「次がある」「他の手段がある」と思う。けれど、貧乏だといま勝負するしかない。自分の未来は「いま」にかかっている

本の価値を決めるのは、食欲と一緒で渇き具合なのだ

貧乏を受け入れて暮らすのか、貧乏には戻らないように働きつづけるのか。二つの岐路に立っているんだということを意識するだけで未来の展望はひらけてくる

最初は割のわるい仕事がくるのは当然だ。一回目はタダでやる、二回目もきた仕事をやる、そして三回目は条件をちょっと上げてもらう。そういうふうにしていけば、仕事は自然と回転しだす

一冊の本を十回読むと、人は変わる

重要なのは、「どういう」仕事か、ではない。どういう仕事であれ、「どうやる」か、だ。プライドを捨て、謙虚にいい仕事をする人にだけ、道は開ける
気持ちのつながりを、できるだけ社会的に成功していたり、心意気のある人ともつのがいい

成功したら仲間を引き上げる

身銭を切らないと貧乏は力にならない

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『<貧乏>のススメ』ミシマ社 齋藤孝・著
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◆目次◆
序章 貧乏を力に変える!
第1章 貧乏は学びの宝庫
第2章 貧乏を力に変える10の技
第3章 貧乏に似合うもの、似合わないもの
第4章 希望を育む「お金」の使い方

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