2010年5月10日
『知らないと恥をかく世界の大問題』池上彰・著vol.2119
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【世界のニュースが一発でわかる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047315044
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いつの時代でも、消費者にとって「都合のよい商品」は売れるものですが、本日ご紹介する一冊もまた、そんな商品のひとつです。
普段、新聞を熱心に読まない人、忙しくて知識が虫食い状態になってしまっている人に、世界の論点を、わずか180ページのダイジェスト版にまとめたのだから、こんな都合のよい本はありません。
G7からG20への動き、世界の火薬庫パキスタン、アメリカのビッグ3がダメになった理由、台頭するインド・パワーの光と影など、世界中のニュースを網羅しつつ、年金や介護、教育など、日本の論点についても言及することを忘れていません。
日頃追っていなかったニュースをキャッチアップするのに、これほど適した本も珍しいのではないかと思います。
本書が優れているのは、著者ならではの経済の見方や、世界の政治経済を読み解く際のキーワードが示されている点。
「資源を持っている国」
「資源を有効活用できるシステムを、国として持っている」
「街に大きな書店があり、そこに若者が大勢いるかどうか」
など、各国の将来性を論じる上で有効な視点が、いくつも示されています。
どうせ読むなら、単なる一般知識で終わらせるのではなく、著者の視点を学び、自分なりに世界を読み解く目を養いたいもの。
日々のニュースを読む前の基礎知識として、ぜひ押さえておきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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お金の流れのカギを握るキーワードは「資源」です。
近年、世界の人口は急激に増え、しかも人口大国が急成長を遂げているわけですから、今後、間違いなく資源は不足します。
資源を持っている国には必然的にお金が流れます
長い目で見ると「資源を持っているだけ」では不十分です。
資源国であると同時に、「その資源を有効活用できるシステムを、国として持っているかどうか」が重要なのです
私なりの「その国が発展するかどうかの見方」をお教えしましょう。
それは街に大きな書店があり、そこに若者が大勢いるかどうか
中国は今、世界一のアメリカ国債の保有国。
世界経済の中で先進国の影は薄くなる一方で、新興国の影響力がどんどん大きくなり、リーマン・ショック以降の金融危機では、サミット(主要国首脳会議)も新興国を含めたG20(先進国や新興国など主要20カ国・地域)が中心的な役割を果たしています
世界には「宗教」「民族」「資源」の3つの対立構造がありますが、イスラム圏にはこの3つの要素がすべてそろっている。
だから戦争も起こりやすいのですね
(アメリカ)国内には3億人という巨大な市場があったので、「性能をよくするには、どうすればいいのか」といった発想が希薄でした。その結果、燃費のよい小型車や高性能車の開発が遅れ、技術面での競争力が失われてしまいました
いざ、「経済を発展させるゾ」となれば、一党独裁のほうが効率よく進みます。
たとえば「この土地を飛行場にする!」と独裁者(党)が言えば、誰も逆らえないのですぐに工場に着手できるからです。
このような体制を「開発独裁」と呼びます
ITは新しい産業です。したがって職業としてのカーストの縛りがありません。
つまり、低い階層の生まれでも、能力さえあればITの仕事に就けるのです。これが、インドでIT産業が急激に発展した理由です
北アフリカのモロッコ、アルジェリア、エジプトといった地域は人件費は安いし、イスラム圏の中でも穏健で過激派もあまりいない地域です。だからキリスト教社会からの投資も受けやすい
「公的年金制度」は、当初は、若くて元気なうちにお金を積み立てて、年をとって仕事を辞めたら、これまで自分が納めてきたものを毎月少しずつ受け取ろうという仕組みでした。
それが田中角栄首相のとき、「賦課方式」に変わりました。つまり、現役世代から保険料を徴収し、高齢者に年金を支払うという仕組みに変わったのです
日本では学力低下を理由に授業時間を増やす方向ですが、実はフィンランドは現在の日本より授業時間が少ないのです。
これで「授業時間を増やせば学力が向上するわけではない」ということがわかります
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『知らないと恥をかく世界の大問題』角川SSコミュニケーションズ 池上彰・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047315044
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◆目次◆
第1章 新しい「世界の勢力地図」を占うキーワード
第2章 20世紀の覇権国家・アメリカを転落させたもの
第3章 アメリカ一極集中の崩壊──次なる覇権国家はどこか?
第4章 待ったなし! 世界全体が抱える問題点
第5章 新たな火種、世界各地の小競り合い?国や地域間の衝突?
第6章 政権交代で解決できるか?──日本の抱える問題点
第7章 世界の中の新しい風を読む?私たちがなすべきこと
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