『先送りできない日本』池上彰・著 vol.2491


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【池上彰さんが緊急提言?】
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本日の一冊は、ミリオンセラーとなった『伝える力』をはじめ、数多くのベストセラーを持つ池上彰さんが、日本の政治・経済の問題点を整理し、復興のために何をすべきか、提言した一冊。

※参考:『伝える力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569690815

グローバルマーケットで、韓国・中国に後れを取った日本が挽回するには、どうしたらいいのか、アメリカは現在、日本をどう利用しようとしているのか、中国はこれからどんな動きをしてくるのか…。

内容のほとんどは、ビジネスチャンスというよりは、為政者が決断すべきものばかりのため、本書を読んでも実行できることはさほど多くはありません。

しかしながら、日本経済が今後、上向くのかどうか、復活するにしても、どこでどんなチャンスが生まれる可能性があるのか、などを知っておけば、ビジネスには役立つと思います。

毎日経済ニュースを欠かさずウォッチしている、という方には、新たに得られる情報が少ないかもしれませんが、論点を整理するには手頃な一冊。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本人は六六年前、焼け跡から再出発して、今の豊かさを築きました。広島、長崎と二度の原爆の被害も受けました。にもかかわらず、日本はあの瓦礫の山から不死鳥のように蘇ったのです。もう一度できるはずです

いくら津波のせいとはいえ、世界は、日本の原子力技術に対して、「あの福島原発の……」という目で見ることでしょう。日本では地球温暖化対策として、原子力技術を各国に向けて売り出そうとしていたのですが、今回の事故でそれが難しくなりました

東北はこれから、復興需要が見込まれます。“復興特需”で経済は活発になっていくでしょう

一方で、関東甲信越の産業の空洞化が懸念されます。自動車工場も、電力が足りなくなるから操業を控えてくれと言われたら、十分な稼
働ができなくなります。それなら東京電力管内から逃げていこうという企業が出てくるでしょう

増税の可能性も高まりました。日本政府は、これ以上赤字国債を発行することはできない状態に来ています

経済産業省は、日本がEUや中国とのTPPまたはEPAのいずれも締結せず、韓国が米国、中国、EUとFTAを締結した場合の自動車、電気電子、機械産業の三業種が受けるダメージを次のように試算しています。二〇二〇年の実質GDP一・五三%減(一〇・五兆円程度)
このうち米国市場関連 一・八八兆円程度

アメリカは対日輸出を増やしたいのです。しかも、単に対日輸出を増やすだけでなく、郵政事業にアメリカの金融機関が参入できるようにすることや、保険外診察を拡大してアメリカ企業が事業を展開できるようにすること、公共事業にアメリカ系企業が入札できることなども求めてくるでしょう

基幹的農業従事者の平均年齢は六六歳。六〇歳以上の割合は全体の七割

中国産(レアアース)の安さの理由は簡単です。付随して出てくる放射性物質を放置しているからです

日本がこれから目指すべきは、ガラケー(ガラパゴス携帯)をどう売るかといった商品マーケティングではなく、開発した新技術を使うことで実現するシステムから丸ごと売るという発想でしょう

国に頼る前に、「いい質問」を考えよう

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『先送りできない日本』池上彰・著 角川書店
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◆目次◆

“第二の焼け跡”からの再出発─まえがきにかえて
第1章 ドアを開ければグローバル社会
第2章 TPPでどうなる、日本の農業
第3章 国が変わるということ
──座して死を待つか、第三の開国か。舵を切るのは今
第4章 世界が知恵を絞る巨龍との付き合い方
第5章 ものづくり大国日本、新ステージへ
第6章 今か、未来か? 明日を決めるのはあなた
「いい質問」から「いい答え」が出る──長いあとがき

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