『渋沢栄一 逆境を生き抜く言葉』渋沢栄一・著 vol.2507


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【渋沢栄一 逆境を生き抜く言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781606113
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本日の一冊は、明治維新や関東大震災後の復興に尽力し、あのドラッカーにも絶賛された大実業家、渋沢栄一の言葉をまとめたもの。

『論語と算盤』という著書が残っていることからもわかるように、渋沢栄一は、論語(=社会道徳)と算盤(=利潤)の両立を説いた人物で、本書にも、その考え方が示されています。

※参考:『論語と算盤』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336014558

いわく「仁義を根本にして商工業を営めば、あえて争うがごとき事をせずとも、利は自ら懐にはいってくるものである」。

本書には、そんな渋沢栄一の考え方が、「人生の目的」「道徳と経済」「生き方」「志の持ち方」「勉強のしかた」「維新の元勲に学ぶ」「成功術・処世術」「お金とのつきあい方」「論語の読み方」の9つの章にまとめられています。

見開き2ページで一つの名言、計89の名言が紹介されており、右ページに渋沢の名言、左ページに解説が掲載されています。

政治家には、渋沢が留学中に見た「国王そのものが国益のために売り込みをするセールスマン」であることを要求し、成功した事業家には、「貧富の格差の解消に動くのは、富豪の義務である」ことを認識してもらい、うわついたボランティアブームには、「一身一家を治むる事ができずして、国家社会のために尽さんとするのは、本末を転倒している」ということを理解してもらう。

さらに、「オレは本気になればすごいんだ」と言っている若いビジネスマンには、「用いられぬため駄目になってしまうような人は、用いられてもやはり駄目な人である」という言葉を捧げたい。

時代背景が似ていることもあると思いますが、国を興すために必要な考え方が、コンパクトにまとまっており、じつに有用な一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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蚊のたかってくるように、用のたかってくる人にならなければいかんよ。役に立つ者は用に追いかけられるが、役に立たん者は用のほうで逃げてゆく

◆留学先で渋沢栄一が学んだこと
1.大衆の金を集めて大規模な営利活動をする、株式会社という制度が有効であったこと
2.軍人(武士)と銀行家(町人)とが対等に話し、官尊民卑がなかったこと
3.国王そのものが国益のために売り込みをするセールスマンであったこと

人間は死ぬまでは国民としての辞表を出さぬものであって、生存するかぎりは社会事業に努めねばならぬ

国家の基礎は商工業にあり。政府の官吏は凡庸にても可なり。商才は賢才ならざるべからず

会社の用はわがものと思え。会社の金は人のものと思え

資本は万能ではない、もっと大切なのは人である。資本の価値も、これを活用する人によって定まるのである

一身一家を治むる事ができずして、国家社会のために尽さんとするのは、本末を転倒していると言わなければならぬ

貧富の格差の解消に動くのは、富豪の義務である

◆意、必、固、我の四つから私意を慎む
1.意を慎む……独善的にならない
2.必を慎む……先入観をなくす
3.固を慎む……固執しない
4.我を慎む……他人と和し、道理に従う

鉄道の開札口を通ろうとするに、狭い場所を自分さえ先に通ればよいとしたならば、畢竟誰も通ることができない

読んで心に残らぬようなことなら、万巻の書を読破した者でも、なおよく一冊を記憶する者に及ばぬわけである。ゆえに読書の要は「心記」にあるに相違ない

事に対しては井上候のごとく悲観的態度を取り、人に大しては大隈伯のごとく楽観的態度を取るのを、私は私の本領としておるのである

用いられぬため駄目になってしまうような人は、用いられてもやはり駄目な人である

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『渋沢栄一 逆境を生き抜く言葉』渋沢栄一・著 イースト・プレス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781606113

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◆目次◆

はじめに なぜ、ドラッカーは渋沢栄一を大絶賛したのか?
第1章 人生の目的
第2章 道徳と経済
第3章 生き方
第4章 志の持ち方
第5章 勉強のしかた
第6章 維新の元勲に学ぶ
第7章 成功術・処世術
第8章 お金とのつきあい方
第9章 論語の読み方
渋沢栄一 略年譜

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