2011年3月10日
『ゼロのちから─成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11』 ナンシー・ルブリン・著 vol.2423
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【人を動かす秘訣】
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かつて、非営利組織といえば、「非効率」の代表でした。
非営利組織や公的機関は民間企業に学ぶべき、というのは、昔から続いている論調だと思います。
しかしながら、右肩上がりの経済成長が終わり、人々がお金中心のインセンティブに反応しなくなった現在、非営利組織が持つノウハウに、注目が集まっています。
少ない報酬でも社員にやる気になってもらう方法、お金をかけずにブランドをつくる方法、外部人材の活用法、お客様を味方につけるノウハウ…。
非営利組織には、民間企業が活用できるノウハウが、じつはたくさんあるのです。
本日ご紹介する一冊は、その非営利組織の人を動かすノウハウを、社会起業家のナンシー・ルブリンさんがまとめたもの。
ナンシーさんは、低所得の女性に衣料品やキャリア開発プログラムを提供するドレス・フォー・サクセスの創業者で、世界の幅広い地域で年間5万人以上の女性を支援しているそうです。
製品やサービスへの情熱を育てる、職場を楽しくする、好きな肩書きをあげる、感謝する…。
本書には、非営利組織のじつにさまざまなノウハウが紹介されていますが、なかでもハッとさせられたのは、「みんな、何か大きなものや重要なものの一部になりたいと思っている」という指摘。
経営者にとって、ビジョンを掲げることがいかに重要か、マネジャーにとって、意義を説くことがいかに重要か、思い知らされる、そんな内容でした。
社員のモチベーションに悩む経営者、マネジャーの方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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お金だけでやる気になる人はほとんどいません。やる気のある社員のほとんどは、会社の目標と自分の目標が同じなのです
少ないお金で人をうまくやる気にさせる秘訣は、社員が何のために朝ベッドから起き出すのかを知ることだ―そしてそれをもっと彼らに与えることだ
営利企業は、非営利組織のように尊い社会貢献を掲げないかわりに、製品やサービスへの情熱を育てる必要がある
みんな、何か大きなものや重要なものの一部になりたいと思っている
非営利組織は、上から下へと情報を伝達しない。ただ共有するだけだ
ドゥ・サムシングではバレンタインデーを公休日にした
人々はより高い肩書きを求める。だったら、あげればいい
だれかの「ため」ではなく、だれかと「ともに」働くほうがいい
ただ「これこれをやりなさい」というのではなく、なぜそれが大切なのかを伝えよう
親しみをこめて「ありがとう」と言うことだ。面と向かってでも、手紙でも、電話でも、上司が部下に心からの感謝を伝えれば、人は何カ月間もやる気になるものだ
社員はまず人間で、次に働き手なんだ
ひとつのコンセプトに忠実であることが、ブランドをより強くする
アメリカの大学はブランディングのもっとも賢い仕掛けのひとつを編み出した。大学は、生涯にわたる広告塔を無数に生みだしている
支援者とけんか別れしてはいけない
やる気のある社員は「働き過ぎだ」と文句を言わないのに気づいているだろうか? 彼らは「忙しい」と言う。「働き過ぎ」と文句を言う社員は辞めてもらっていいのだ
物々交換は、多様化されてより意味のある長期的な関係を築くひとつの手段になる
イノベーションを生み出すチームは少数精鋭で目立たないことが必要だ
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『ゼロのちから─成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11』ナンシー・ルブリン・著 英治出版
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◆目次◆
1.社員のやる気を最大化する
2.お金をかけずにブランドをつくる
3.外部の人材を活用する
4.賢くお願いする
5.お客さまを味方につける
6.役員にもっと働いてもらう
7.能力を引き出す人事を行う
8.ストーリーを知ってもらう
9.財務を上手に管理する
10.物々交換を活用する
11.イノベーションを生み出す
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