2007年4月23日
『クリエイティブ・クラスの世紀』
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本日の一冊は、「クリエイティブ・クラス」と呼ばれる新しい価値観を共有する人々が主導する、クリエイティブ経済の到来を予見し、そこでの競争優位を築く方法を説いた一冊。
どちらかと言うと、クリエイティブ人材を集めるための政策について提言したものが多く、直接ビジネスやキャリアのヒントを求める向きには適していない本です。
とは言え、人材獲得競争が国ではなく、都市単位で起こっているということや、クリエイティブ人材を惹きつけておくためのポイントなど、参考になることは山ほどあります。
なかでも印象的だったのは、「どんなに頑張ったところで、欲望だけではイノベーションは起きない」という指摘。
「クリエイティブな人々をその気にさせるには、金銭よりも内発的な報酬のほうがはるかに大事である」という言葉は、クリエイティブな人間の使い方をわかっていない経営者には、耳が痛いのではないでしょうか。
出尽くした議論も多くありますが、今後の世界経済のトレンドを見極める上で、参考になる一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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結局、世界的な才能を引き寄せたり離したりしているのは、国や企
業ではなく、都市なのである
過去一〇年間で最大の雇用増加があったのは、対人スキルやEQが
必要な職業(たとえば看護師や弁護士)と、デザイナー、建築士、
写真家などの想像力とクリエイティビティを必要とする職業である
なぜその場所が繁栄するのかを説明するものは、もっと根本的な特
性なのである。簡単に言えば、開放性であり、才能の「参入障壁が
低いこと」である
人はいつだって自己を探して苦悩し、意義のある仕事を求め、みず
からが役立ち、また完全に人間らしく生活できるコミュニティを探
しているのである
どんなに頑張ったところで、欲望だけではイノベーションは起きない
クリエイティブな人々をその気にさせるには、金銭よりも内発的な
報酬のほうがはるかに大事である
インドと中国の両国は、大卒人口の多くを技術開発型の産業に活用
し始めている
学生は才能獲得競争における「鉱山のカナリア」である(環境の不
健康な状態に敏感に反応することのたとえ)。その才能を惹きつけ
ることができた国は、さまざまな面で優位性を獲得できる
職場のQOL(生活の質)を高めることが新たなトレンドとなりつ
つあるが、それは、単にそうすることが正しいからなのではない。
ストレスや不安感を和らげることで、企業は社内のクリエイティブ
な人的資本をより活用でき、高い生産性を得られるからなのである
企業はいまや世界のどこにでも進出することができるし、より重要
なのは、人間も、機会と自由と自分たちの好む生活が得られる場所
に自由に移動できるということだ
クリエイティブ時代に適応しうる社会、すなわちリスクと個人の努
力とのバランスを取り、リスクの幾分かを社会全体で引き受け、個
人がより生産的、クリエイティブになれるようにする社会が、この
時代をリードしていく
教育改革の核心は、学校を人間のクリエイティビティを養い、広げ
ていける場所に変えることだ
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『クリエイティブ・クラスの世紀』
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┃▼目次▼
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┃ 第1章 クリエイティブ・クラスの大移動
┃ 第2章 クリエイティビティの重要性
┃ 第3章 開かれた社会の価値
┃ 第4章 鎖国するアメリカ
┃ 第5章 新しい競争相手
┃ 第6章 繁栄する都市、停滞する都市
┃ 第7章 新たな格差社会
┃ 第8章 アメリカ政治の内部対立
┃ 第9章 クリエイティブ社会の構築
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