2008年8月18日
『どこまでやったらクビになるか』大内伸哉・著
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【その副業、本当に大丈夫?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106102773
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新潮新書らしく、かなりどぎついタイトルがついていますが、本日の一冊は、労働法を専門とする法学博士が、サラリーマン、経営者のための労働法の知識をわかりやすくまとめた一冊。
ブログで社内事情を書いている社員、会社に秘密で風俗産業でアルバイトをしている女性社員、社内不倫、インサイダー取引、経費流用、セクハラ、過労死などなど、ワイドショー的な見出しが並び、かなり知的好奇心をくすぐられる本ですが、実際の内容は極めてベーシックな労働法のうんちくです。
このBBMでも、過去にカリスマ社会保険労務士、萩原京二さんが書いた『職場の法律知識を学ぶ!』はじめ、何冊か労働法関連の本を紹介してきましたが、本書の特徴は、判例が豊富なことです。
※参考:『職場の法律知識を学ぶ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887595913/
労働をめぐる問題を、実際に裁判所がどう判断してきたのか、その事実とプロセス、理由を知ることができるのが、本書の最大のメリットだと思います。
土井が見る限り、出版業界でもブログを書いている社員がかなり大勢いますが、そのうちの何人かは本書のガイドラインから見たらアウトです。
また、社会通念的には処分されそうな転勤命令や、社員の痴漢行為も、実際には処罰されないことがあるということで、なかなか勉強になります。
労働法は、実務上はなかなか適用が難しかったりする部分もありますが、やはりいざという時、自分を守るために知っておいて損はありません。
特に経営者や、本業以外で活躍されている方は、読んでおくことをおすすめします。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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民間会社において、たとえば会社の新製品開発などの重要情報を「ミクシィ」で書き込んでしまうと、秘密漏洩(秘密保持義務違反)として処分の対象となることがある
裁判所は、職場外でされた職務遂行に関係のない労働者の行為であっても、企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなど企業秩序を侵害するものである場合には、懲戒処分を行うことも許される、と述べています
裁判所は、専門学校の教師が勤務時間中に業務用のパソコンを用いて「出会い系サイト」への投稿を多数回行っていたことを理由とする懲戒解雇を有効と判断しています
会社に最も嫌がられる副業は、その会社と同業種の他社に雇われたり、同業種の会社を立ち上げたりすることです。こうした副業は「競業」と呼ばれ、社員は通常は競業をしないことが義務づけられています。これを「競業避止義務」といいます。競業避止義務は、退職した後であっても数年間は課され続けることがあるほどの強い義務です
部長がその秘書を無理矢理愛人にしていたというような公私混同のケースでは、処分の対象となる可能性が高いでしょう。恋愛に現を抜かし、仕事にまったく身が入らなくなったような社員も処分の対象となる可能性があります
公務員の場合には、業務に関連して賄賂をもらうと収賄罪(渡したほうは贈賄罪)という犯罪行為になり、懲戒免職は避けられません
「公益通報」をした社員が保護される要件は、実はかなり厳しいものです。法律により保護されるのは、犯罪行為(刑事責任)にかかわるような事実の通報に限定されています
労働法は、ぎりぎりの局面では会社法の前に無力
現在の法律の下でも、会社が「割増賃金」を支払わなくてよいタイプの社員がいます。一つは、裁量労働制の適用を受けている社員です。裁量労働制とは、業務の性質上、その遂行方法を社員の大幅な裁量にゆだねている場合において、労働時間を実労働時間ではなく、労使で決めた時間とみなしてしまうというものです
通勤経路から逸脱した場合でも、それが日常生活上必要な行為(日用品の購入、職業能力の向上・開発に資する教育の受講、選挙権の行使、病院での診察、家族の介護)をするためであれば、本来の通勤経路に戻ってきた後に遭遇した災害は「通勤災害」に該当する
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『どこまでやったらクビになるか』大内伸哉・著
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◆目次◆
まえがき
1講 ブログ
2講 副業
3講 社内不倫
4講 経費流用
5講 転勤
6講 給料泥棒
7講 内部告発
8講 合併
9講 残業手当
10講 新人採用
11講 セクハラ
12講 過労死
13講 労災認定
14講 定年
15講 喫煙問題
16講 痴漢
17講 妊娠出産
18講 経歴詐称
補講
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