2009年8月15日
『2011年新聞・テレビ消滅』佐々木俊尚・著 vol.1853
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【次世代情報ビジネスの覇者は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166607081
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本日の一冊は、ベストセラー『グーグル─Google 既存のビジネスを破壊する』で知られるフリージャーナリストの佐々木俊尚さんが、新聞・テレビの未来を論じた一冊。
※参考:『グーグル─Google 既存のビジネスを破壊する』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166605011/
自身の毎日新聞社、アスキーなどでの経験と、国内外の最新メディア事情をもとに、メディアの本質的な変化について論じています。
既得権益にしがみつき、適切な意思決定ができないマスメディアとその隙をついて新サービスを立ち上げる新規参入組。
その軋轢から生まれた訴訟問題なども取り上げていますが、一番の読みどころは、「コンテンツ」「コンテナ」「コンベヤ」といった三層モデルでメディアをとらえる発想でしょう。(このモデルはもともと、グーグル及川卓也氏が提唱したものらしい)
「コンテナ部分を握る企業に、パワーはシフトする」とはけだし名言で、今後、メディア各社は、このコンテナ部分の覇権を争うことになり、そこから新サービスも生まれてくるのだと思います。(アマゾンのキンドルもその一部)
また、マスメディアからミドルメディアへのシフトや、新たなマーケティングリサーチの可能性など、興味深い視点が満載。
内容に関して、新聞・テレビの関係者からは批判的な声もあるようですが、ビジネス的な視点から言ったら、読んでおいて損はない一冊です。
次世代の情報ビジネスで勝つために、ぜひ買って読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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新聞は再販制度に守られてぬるま湯に浸り続け、あげくに「押し紙」などという発行部数の水増しを行って弱小新聞販売店をいじめてきた
流通寡占と広告減少が密接にかかわっている(中略)寡占が進むと供給者と需要者の間の情報を取り持つ広告の機能がなくなってくる(中略)メーカーなどの供給者は、マスコミを通じて直接需要者に宣伝するよりも、強力な流通業者に、セールスプロモーションと称するカネを払って、自分の商品を売ってもらうほうが効率的という考え方になる
「私はテレビを『バカが見るものではなく人がバカになりたいときに見るもの』だと思います」(TBS 田代冬彦氏のコメント)
◆グーグル及川卓也氏の三層モデル
「コンテンツ」「コンテナ」「コンベヤ」
新聞社のサイトのトップページを最初に訪問して、そこから記事を読むという人はどんどん減ってきている
コンテナ部分を握る企業に、パワーはシフトする
マスがなくなったあとには、いったい何がやってくるんだろう?それはミドルメディアだ
ミドルメディアはそもそもマスじゃない。マスじゃなくてどのような読者に情報を投げ込むのかというターゲティングが最適化されているから、広告が成り立ちやすい
ヤフージャパンの始めた「インタレストマッチ広告」のように、日本で開発された新しい広告もある。インタレストマッチは、広告を見ている人がどんな人なのか、そしてどんなことに関心があるのかまでを考慮して配信する広告を変えてしまおうというものだ
本能的な勘だけで作られた雑誌の場合、年月を重ねるのに従ってだんだんと雑誌の中身が変質していってしまうという問題がおうおうにして起きる。なぜなら編集長や編集者は、年を取ってしまうからだ
Shufoo!のチラシを見てくれた人たちのデータを収集することで、みんながどのような買い物志向を持ち、実際にどのような買い物をしているのかということをリアルに調べることができてしまう
世界で唯一有料モデルで成功している高級紙ウォールストリートジャーナル紙でさえも、わずか百万人の会員を取り込んでいるのにすぎない
「報道を行う主体が、マスメディアでなければならないなんて、誰が言った?」マスメディア全盛期から、実は調査報道の中心を担っていたのはメディア業界の周縁にいたゲリラ的な雑誌やフリーランスジャーナリストだった
次世代STBを握った企業こそが、間違いなくテレビというメディアの最強のプラットフォームになる
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『2011年新聞・テレビ消滅』文藝春秋 佐々木俊尚・著
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◆目次◆
プロローグ
第1章 マスの時代は終わった
第2章 新聞の敗戦
第3章 さあ、次はテレビの番だ
第4章 プラットフォーム戦争が幕を開ける
あとがき
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