『JR九州唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術』唐池恒二・著 Vol.2797


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【JR九州の快進撃】
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ひさびさに訪れた博多駅は、洗練された商業施設に生まれ変わっていて、本当にビックリしました。

最近の博多は、九州各県からの人口流入や、東日本大震災に伴う人口流入、地の利を生かした中国・韓国とのビジネスで活気づいています。(ちなみに2011年6月1日時点の福岡市の推計人口は147万5328人。京都市の147万3967人を抜き、政令市では全国6位に浮上)

これは、全国どこでも言えることだと思いますが、新幹線の延長、格安航空会社の就航などにより、ますます人々が魅力ある都市や町に一極集中するようになっています。

インターネットでは当たり前になっている、ウィナーテイクオールの考え方が、リアルの世界でも当てはまるようになってきているのです。

そんななか、一人気を吐いているのが、JR九州。

博多─釜山間を結ぶ国際定期船「ビートル」で、韓国の観光客を呼び込み、さらに駅ビルの大規模開発、九州の特産品を導入した居食屋「うまや」の展開、年商100億円規模にまで拡大したマンション販売など、同社が今でも国鉄だったら、きっと「民業圧迫」と非難されたであろう、すさまじいまでのビジネス展開をしているのです。

本日ご紹介する一冊は、そのJR九州の快進撃を指揮している、九州旅客鉄道株式会社代表取締役社長、唐池恒二さんによる一冊。

聞き書きでライターがまとめたためか、戦略・マーケティングに関する記述が少なく、やや食い足りない感はありますが、そもそも資料が限られているので、ここは割り切り買い。

アジアビジネスでは一日の長のある博多に、これからのビジネスを学べる、ご当地本です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「船はもう動きません。対馬で一泊していただきます。今夜の宿までバスやタクシーで行っていただき、食事も用意させていただいております。明日9時30分のフェリーで博多に向かいます。運賃は返還させていただきます」
(中略)
これからどうなるかわからないと人間は不安になります。今後の予定をきっちり示すことがなにより大切なのです。
組織も一緒です。方向性やビジョンを明確にして社員に指し示す。──これはジェットフォイル漂流事故から学んだ教訓です

うまやは現在、博多駅前など福岡で5店舗、長崎、熊本、鹿児島で各1店舗合計8店舗を九州で展開していますが、2002年2月2日に、赤坂に東京の1号店を出店しました

博多と国内有数の人気温泉リゾートの由布院を結ぶ特急「ゆふいんの森」を博多駅のホームに立って眺めると、お客さまのおよそ8割は韓国からのお客さまです

2010年6月からはJR九州レールパスがインターネットでも購入が可能となり、海外での取り扱い店舗も約150店舗から約12万店舗と飛躍的に拡大しています

博多港の年間外国人入国数は27万2千人で全国トップ

手間をかけた仕事はかならずお客さまから評価され支持されます

進化をしていくためには、
1.組織を変える
2.仕事を変える
3.新しい市場に参入する

2010年7月、JR九州のグループ会社であるJR九州システムソリューションズはインドのITベンダー大手のパトニ・コンピューター・システムズと合弁で、JR九州パトニ・システムズを設立しました

環境ビジネスでは、九州では半導体関連産業が多く、その技術を活用しソーラーパネル関連産業は有望

2010年9月には「上海JR餐飲管理有限公司」を設立し、飲食店の準備をしています

これからのJR九州の取り組みとして考えているのは、「つくる」ということです。アウトソーシング(外部委託)ではなく、自前で作る。自分で考えて作る。自分から手がける。将来的には、車両まで自前で作らせたいと考えています

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『JR九州唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術』唐池恒二・著 ぱる出版
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◆目次◆

プロローグ ~JR九州の現場で学んだ発想、荒波の乗り越え方
第1章 アジアとの交流こそ九州の元気のもと
第2章 世界のお客さまに楽しんでもらう
わくわく”九州ランド”へようこそ!
第3章 JR九州が大切にしている3つの約束
「誠実」「成長と進化」「地域貢献」
第4章 安全とサービスを社風へ
第5章 様々な分野でナンバーワンをめざすJR九州ブランド
第6章 九州を元気にするまちづくりの考え方はこれだ!
第7章 JR九州の次の稼ぎ頭、成長エンジンを獲得する発想

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