2007年1月31日
『BRICs新興する大国と日本』
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本日の一冊は、地下経済や新興マーケットの事情に詳しいエコノミスト、門倉貴史さんが、今注目のBRICsについて解説した一冊。
「二〇〇五年の平均実質経済成長率はプラス七・二%」。
注目を浴びるブラジル、ロシア、インド、中国の経済について、マクロの統計からミクロのトレンドまで、詳しく論じています。
それぞれの国で、今どんな分野が伸びているのか、人口構成はどうなっているのか、富裕層の商品への関心はどうなのか、リスク要因は何なのかなど、ビジネス的に知りたいことがきっちりと押さえられています。
中国で化粧品需要が伸びている、インドでダイエットニーズが高まっているなど、各国の概況だけでなく、具体的なビジネスチャンスにまで踏み込んで言及している点が、類書にない魅力です。
また、40ページ弱のボリュームではありますが、ポストBRICsとして注目を浴びている南アフリカ共和国、エジプト・アラブ共和国などの解説もあり、今後の世界経済を俯瞰するには便利です。
BRICsをはじめ、新興マーケットでのビジネスや投資に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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BRICsでは、都市部を中心に購買力のある中産階級が台頭して
おり、彼らの間でマイカーブームが巻き起こっている。道路などの
インフラ整備が進んできたことも自動車需要の拡大に拍車
上海をはじめ中国の沿岸部などでは、外資系企業などで働く所得水
準の高いOLが増えつつある。彼女たちは「おしゃれ」に敏感にな
っており、化粧品にもそれなりにこだわりをもっている
◆各国がもつリスク要因
ブラジル:大統領選 ロシア:原油の国際価格
インド:政治 中国:鳥インフルエンザ
世界中どの国においても電力消費は現実の経済活動にほぼ比例して
変動することが知られており、電力消費の動きと実質GDPの動き
が乖離する場合、それは実質GDP統計が現実の経済の動きを反映
していないことを示す
キャップジェミニがまとめた「World Wealth Report」によると、
居住用の不動産を除く金融資産が一〇〇万ドル(約1億円)を超え
る富裕層の数は、二〇〇四年時点で、ブラジルが約九・八万人、ロ
シア約八・八万人、インド約七・〇万人、中国約三〇万人
インドでは吸っているたばこの種類がステイタスシンボルになるた
め、所得水準が上がれば、愛煙家が吸うたばこの種類もすぐに高級
化するという特徴がある
インドではもともと甘党が多かったうえ、富裕層の間にカロリーの
高い欧米風の食生活が浸透しはじめたことから、運動不足や過剰な
カロリー摂取による肥満が増加しつつある
BRICs各国におけるパソコン需要の急拡大を踏まえると、短期
的には、半導体市況の上昇トレンドが明確化するとみられる
経済発展が著しい中国では、人々の間で西洋風の食生活が浸透しつ
つあり、牛乳やヨーグルト、バター、チーズといった乳製品の需要
がうなぎのぼりに増加している
BRICsで肉食化が進展することを踏まえると、食肉や穀物の国
際取引価格についても、中長期的に上昇圧力がかかる公算が大きい
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『BRICs新興する大国と日本』
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■目次■
はじめに
第1章 なぜBRICsが注目されているのか?
第2章 台頭する中産階級
第3章 資源獲得競争
第4章 BRICsの軍事力
第5章 国際会議で影響力を増すBRICs
第6章 BRICsと日本の関係
第7章 ポストBRICsとして注目を浴びる国々
おわりに
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