『逆境を越えてゆく者へ』新渡戸稲造・著 vol.2535


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【新渡戸稲造による名著、復活】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408108960
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本日の一冊は、約100年前に書かれた新渡戸稲造の名著『修養』、『自警』の2冊から、「苦難の時をいかに生きるか」という意図に沿って精選したという一冊。

新渡戸稲造のモノクロ写真に名言をあしらった巻頭ページがじつに情緒たっぷりで、人生に必要な教えが、すうっと体に染みこんできます。

不況に次ぐ震災、さらには原発事故で、日本人は今まさに逆境に直面しているわけですが、新渡戸稲造ならこの逆境をどう考えるか、そんなことを考えながら読んでみました。

<いわゆる逆境があるから、我々は他人に対し思いやりの心を持つことができる。もし毎日浮かれ騒いでおもしろおかしく人生を過ごすならば、どうして人に対する思いやりの心を持つことができよう。思いやりの心を持たない者がどうして人情の本当の味を知ることができるだろう>

たとえお金がなくても、名誉がなくても、いやむしろそれらがないからこそ、人情の本当の味を知ることができる。

ビジネスばかりを考えているとついつい忘れてしまいがちな、人間の原点を思い出させてくれます。

そして、土井がもっとも気に入ったのが、次のフレーズ。

<一人の利益は万人の利益、一人の苦しみは万人の苦しみ、一人の喜びは万人の喜びと考えれば、世界は美しい調和に達する>

なかなか難しいことではありますが、だからこそ他人の気持ちに思いを寄せる。

もしこの調和が実現できたら、きっとビジネスでも出版でも、大成功が収められるのだと思います。

「修養」と「自警」のために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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最も必要なことは、常に志を忘れないよう 心にかけて記憶することである。

一人の利益は万人の利益、
一人の苦しみは万人の苦しみ、
一人の喜びは万人の喜びと考えれば、
世界は美しい調和に達する。

普通の人間が不満とすることも、着眼点を変えれば、愉快の種とすることができる。

いわゆる逆境があるから、我々は他人に対し思いやりの心を持つことができる。もし毎日浮かれ騒いでおもしろおかしく人生を過ごすならば、どうして人に対する思いやりの心を持つことができよう。思いやりの心を持たない者がどうして人情の本当の味を知ることができるだろう。

逆境逆境と言って、逆境ながらにその境遇を利用しようとしない者が多い

罪を他人のせいにするのは知恵が少ないからである

窮地に陥り勢いのなくなった人は常に初心に帰るべし

他人を羨むということは心の狭さから起こるものであるから、そうならないためには心を広く持ち、他人に及ぼす善は自分にも善であると思うように努めることだ

自分の知っていることを他人に教え、自分の知らないことを他人から教わる。知識は他人に教えても減るものではなく、その交換は物品の交換と同じにお互いの利益になるものである

同僚が出世し自分が後れても、あるいは意見が異なり敵のように気にくわない相手であっても、その人間が日本の国の力となり、国の評判を高める者なら、喜んでその者に協力する気にもなるし、羨みの気持ちなど起きないであろう

金持ちが財産を失って点を怨むのは、金を重く見すぎた過ちである。名誉も同様で、世間からもてはやされた人が、なにかの理由で評判が落ちても、それが禍いと言えるだろうか

苦痛は親友にこそ打ち明けよ

どんなに技量がある者でも、最初に立てた志を継続して行わなければ、そのことは決して成功しない

徳は失うおそれも妬まれるおそれもない。むしろ妬む人を教化する力がある

決勝点は高いところに置け

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『逆境を越えてゆく者へ』新渡戸稲造・著 実業之日本社
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◆目次◆

第一章 逆境を越えてゆく者へ
第二章 人生の危機は順境で起こる
第三章 決心を継続していくということ
第四章 四つの力を貯蓄する
第五章 臆病を克服する工夫
第六章 人生の決勝点

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