2009年7月2日
『考える・まとめる・表現する―アメリカ式「主張の技術」』大庭コテイさち子・著 vol.1809
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【今月のバカヤロー本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757122314
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本日の一冊は、土井が認定する、ひさびさのバカヤロー本(いい内容なのに本作りがひどい)です。
著者は、コロンビア大学教育者大学院で教育学を研究し、世界約170カ国が参加するグローバルサイト「キッズスペース」の代表を務める、大庭コテイさち子さん。
説得力あるロジカルな主張を実現するため、アメリカの初等教育で使われているという「図形」や読み書きの技術を、大人向けに紹介した、注目の一冊です。
物事を比較・分類する際に使える「ハイルー博士の8つのマップ」や、読み書きに使える「キュービング」、ビジネスライティングで使える「RGIピラミッド」、ジャーナリストが使う「インバーテッドピラミッド」など、さまざまなツールが使われており、じつに重宝する一冊です。
なかでも「キュービング」の技術は、これを知っているだけで読書や文章の質が飛躍的に向上する、すごいツールです。
さらに、ビジネスとジャーナリズムで異なる文章の書き方など、これ一冊でかなりの読み書き能力の向上が図れると思います。
惜しむらくは、日本語が不自然なのと、留学生に向けられた後半部分。
表紙は一般向けになっているのに、巻末資料はなぜか「アメリカの語学教育と教育制度」となっていて、違和感を覚えずにはいられませんでした。
本作りの面では問題の多い本ですが、内容的には重宝する一冊です。
自分のプレゼン技術を高めたい方は、いますぐ買って読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆アメリカの特徴的な4つの教育理念
1.学習者中心 2.批判的思考 3.創造的思考 4.問題解決
ABCDのすべてを即理解できなくても、ABを理解した者とCDを理解した者がチームになればよい
アメリカの教育学では、「創造性=自由に考える力」ではなく「創造性=応用する力」です。社会経験も創造経験も未熟な子どもたちが、なんの根拠もなくただ自由に考えることが、新しくてなお意味も価値もあることを生む確率がどれほどあるでしょうか
◆ハイルー博士がまとめた8つのマップ
1.サークルマップ(関連と定義)
2.バブルマップ(クオリティ(性質・特徴)描写)
3.ダブルバブルマップ(比較対照)
4.ツリーマップ(分類)
5.ブレイスマップ(全体と構成要素)
6.ブリッジマップ(類似・相似比較)
7.フローマップ(連続・順序・つながり)
8.マルチフローマップ(原因と結果・効果)
◆読み書きに使えるキュービング
1.描写 2.比較 3.連想 4.分析 5.応用 6.支持/不支持
◆ビジネスライティングで使えるRGIピラミッド
RGIピラミッドは、頂点にサマリーを置き、そのあとの部分をサポート情報とします
◆ジャーナリストが使うインバーテッドピラミッド
はじめに一番重要で目につき、人々が知りたがる情報を書き、あくまでも重要度が大きいものから小さいものへと書き進むやり方
◆ティーシス――「論文中最も重要かつ独自の論題」
1.ティーシスは筆者によるユニークで具体的で明確な意見であり、一番いいたいこと
2.ティーシスは単純ではない。疑問や反対意見がなさそうなものはティーシスにならない
3.ティーシスは読者に「だから何?(So what?)」と思わせず、人の興味を引くものでなければならない
4.ティーシスは1文でまとめられ序論の最後に位置することが多はない
だんだん大きく(重要に)なっていくクレッシェンド型よりもデクレッシェンド型のほうが、一番重要なことをはじめに訴求できるため戦略的には確実な効果がねらえる
書くとき、話すときに、「ところで(By the way)」と、違う話に移るのはやめてみましょう。By the wayは、せっかく積み上げてきた論理をどさっと横に投げ出す言葉です
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『考える・まとめる・表現する―アメリカ式「主張の技術」』NTT出版 大庭コテイさち子・著
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◆目次◆
第1章 考えを伝えるスタイル
第2章 組み立てて考える技術
第3章 まとめる・表現する技術
第4章 明快に表現する技術
第5章 ディベートにみる主張の技術
巻末資料 アメリカの語学教育と教育制度
練習問題と解答例
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