2008年4月13日
『知識デザイン企業』紺野 登・著
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【創造的経営の条件とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313864
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以前、東京国際ブックフェアに参加した際、講演で『国家の品格』の藤原正彦さんが、こんなお話をしていました。
「何の役にも立たないと思われる教養というものが、人間の大局観や創造力につながっていく」
正確には覚えていませんが、こんな内容だったと思います。
人間にとって永遠の謎であり、かつ競争優位を築く上でクリティカルな「創造性」。これを計画して身につけられるなら、これに勝る能力開発はないのではないでしょうか。
本日の一冊は、知識経営に関するさまざまなプロジェクトに参画し、デザイン企業、お式へのコンサルティングを行う著者が、グーグルやアップル、ダイソン、ヴァージン・グループ、IDEOなどといった創造企業を取り上げ、創造性の秘密を探った一冊。
冒頭の「『モノづくり』だけに”ひきこもって”いてはいけない」という言葉からもわかるように、従来のモノ作りに固執する日本のメーカーにとってはじつに刺激的な論考となっています。
店舗やコーヒー製品のデザインにこだわるため、わざわざデザイナーを雇用しているスターバックス、誰も見ないであろう背面をピカピカに磨き上げたiPodなど、先端企業の取り組みと、そこから学び取れる創造性の条件が、じつに読ませてくれます。
また、認知心理学者であるD・ノーマンが言うところの「体験的認知」と「内省的認知」の2軸に基づくイノベーションは、企業が競争優位を持続するために、重要な視点だと思います。
理論が中心で、若干文章は硬いのですが、自分のアイデア一つで世の中をあっと言わせたい方は、ぜひ読むことをおすすめします。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちに
できるのは過去を振り返って繋げることだけだ。だからこそ、バラ
バラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていく
と信じなくてはならない」(スティーブ・ジョブズ)
「よいデザインというのは、単に色が美しいのとは訳が違う。……
普段なら手の届かないものに、手が届くようにすることがよいデザ
インの条件なのだ」(スターバックスデザインチームのリーダー
ライト・マッシー)
従来のプロフェッショナルにはクライアントの関心・利益や、プロ
としての奉仕精神が要となったが、創造的個人たちは、さらにその
前提として、その仕事の意味合い、世の中や最終顧客がどう感じる
かを了解することが動機になる
彼らはマーケティング的なフィールド調査などはいっさい行わず、
自分たちの描く音楽を楽しむシーンへのこだわりをもってiPodを
創り上げた。機能ではなく、人間の情緒に訴えかけるものを提供す
ることにこだわった
再生可能な資源としての真摯さが、アート・カンパニーにとって最
も重要な資質
経営者の役割は、もはやプロフェッショナリズムを叩き込むのでは
なく、彼らの才能を発掘し、そのナイーブな感性に寄り添い、真に
プロフェッショナルな才能を社会的に昇華させるコーチでありエー
ジェントでもあるような存在となっていくだろう
◆「無名の質」の7つの特性
1.「生き生きとしていること」Alive
2.「全一的なこと」Whole
3.「居心地の良いこと」Comfortable
4.「捕らわれのないこと」Free
5.「(知識の)正確なこと」Exact
6.「無我であること」Egoless
7.「永遠であること」Eternal
われわれの認知、学習、創造には、体験的認知と内省的認知の両者が必要
「いやしくも物を考える人間なら誰でも、頭脳の内部で起きている
ことを描写するのに、私たちの言語は事実上役に立たないことに気
づいている」(ジョージ・オーウェル)
アップルの真骨頂は、既存の機能や製品、ソフトウェアを徹底して
創造的に再定義、革新、綜合する能力だ
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『知識デザイン企業』紺野 登・著
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◆目次◆
第1章 創造経済とアート・カンパニーの台頭
第2章 「モノ<プロダクト>」の概念が変化した
第3章 「真摯さ」という資産
第4章 知識デザイン:知をオーガナイズする
第5章 知識デザインの「方法論」
補 論 知識デザインの実践:コンセプト・デザインにおける応用
第6章 アート・カンパニーの条件
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