『生き残るメディア死ぬメディア』 まつもとあつし・著 vol.2343


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【出版、映像ビジネスはどうなる?】
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本日の一冊は、メディア・ITの最新情報を提供し、好評を博しているアスキー新書の最新刊。

ジャーナリストであり、コンテンツプロデューサーのまつもとあつし氏が、出版・映像ビジネスのゆくえを、最新のデータと事例、さらにはボイジャー、ドワンゴ、GyaO、電子書籍「AiR」などへの取材をもとに、まとめています。

土井は、先日出演したJ-WAVE「Hello World」で、スタジオ風景が動画配信されていたのを見て、「もはやテレビとラジオの境界はなくなった」と感じました。

すべてのメディアの境界がなくなっていくこの流れは、もはや止められないのだと思います。

本書では、そんなIT戦国時代の動向を、さまざまな視点から論じた一冊。

現状の出版流通の問題点を指摘し、アマゾン、アップル、グーグル、シャープなど、さまざまなプレイヤーの「今」を、詳しくまとめています。

新聞やネットで公開されたニュースも多いため、勉強熱心な方には既知の情報もあるかもしれませんが、アップデートするにはいい内容だと思います。

出版ビジネスに参入したい方、電子書籍で情報発信したい方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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1955年代、テレビが登場して間もないころは、テレビは映画よりもずっと低い地位のメディアだった。当時、わが子がテレビ局に就職すると聞いた親は、なぜ映画会社やラジオ局に就職しないのか責めたという

ハードの優劣ではなく、プラットフォームを制する者が商取引を制する状況がいよいよ本格化した

一冊丸ごとの購入だけでなく、章や節といった単位での購入も可能になるのだ。これは書籍を文脈に沿ってインデックス化し、検索可能にするだけで容易に実現する。かつてiTunesはアルバム単位ではなく楽曲単位での購入を可能にしたことで、音楽の聴き方そのものを変えてしまった。それと同じ状況が書籍の世界にもやってこようとしているのだ

“本が売れなくて潰れた出版社”なんて聞いたことがない(「文化通信」編集長 星野渉氏)

ピーク時には9億4000万冊を超えていますが、これは全国民が1年間に10冊近く本を買っていたということ

書店はここ数年、ショッピングセンターへの出店が過熱していたのですが、2009年は一転、その動きが止まりました

2004年から2008年までは増床が減床を上回ってきたのですが、2009年にはこれが逆転した

日販をはじめとする取次が、「配本規制」を始めています。これによって、出版社はこれまでのように大量に新刊を流通させて売上げを確保するということが、難しくなるのです

世界の書籍のうち、20%がパブリックドメイン、70%が絶版と言われています。つまり残りの10%しか出版社は流通させていない

◆電子書籍の三原則
1.所有感があり同期されること
2.検索・引用可能であること
3.ソーシャルな読み方ができること

「何十万冊に及ぶライブラリー」というのも魅力のひとつだとは思いますが、私たちの強みはそこじゃないと感じているんです。「ここはラノベのこと、わかってるな」と言ってもらえる場所作りを目指したいなと(角川コンテンツゲート 安本洋一常務取締役)

これだけ視聴者のライフスタイルも多様化してくると、気分を推し量ることも難しいでしょうね。夜だからゆっくりしたいという人ばかりじゃなくて、夜からますます盛り上がってくる人もいる。だから時間帯というより、チャンネルがあるテーマで統一されて編成されていくという方向になっていくほうが、お客さんにとってもいいと思いますよ。いずれにしても、オンデマンドばかりでは、新たな発見がなくなってしまう(ドワンゴ 夏野剛氏)

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『生き残るメディア死ぬメディア』まつもとあつし・著 アスキー・メディアワークス
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◆目次◆

イントロダクション―目的を探して
Part1 利益を求めて―ザッポスへたどり着くまで
第1章 ただ、利益を追い求める日々
第2章 うまくいくこともあれば、いかないこともある
第3章 とにかく、あれこれやってみる
Part2 情熱をかけて―成長の設計図
第4章 自分の役割に集中する
第5章 成長へのプラットフォーム
―ブランド、企業文化、パイプライン
Part3 人生の目的にたどり着く
―幸せを届ける会社に
第6章 次のレベルへの進化
第7章 エンド・ゲーム
エピローグ ムーブメントに参加しよう

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