2007年1月23日
『永遠の別れ―悲しみを癒す智恵の書』
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この1月は、のっけからバラバラ殺人、火災、阪神大震災から12年など、暗いニュースが相次ぎました。
日本全国に、大切な方、身近な方を失った悲しみが渦巻いていた、そんな気がいたします。
そこで本日は、ビジネス書ではないですが、悲しみを癒し、前に進むきっかけとなる一冊をご紹介します。
著者は、高名な精神科医であり、名著『死ぬ瞬間』の著者である、エリザベス・キューブラー・ロス。
※参考:『死ぬ瞬間』
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有名な「喪失の五段階説」に始まり、いかにして悲しみを癒すか、喪失感を乗り越えるかを、心温まる文体で、優しく諭してくれます。
自分の怒りを存分に感じ切る、悲嘆を味わいつくす、ものごとをあるがままに受容する、罪悪感の解消につとめる…。
自らも二度の流産、離婚した夫との死別、放火事件などを経験し、医師としても数多くの悲劇を目撃してきた著者だけに、そのアドバイスには、重みが感じられます。
著者のエリザベスは、本書の上梓を待たずして2004年8月に亡くなったとのことで、本書は彼女の遺作にあたります。
読者のみなさんが、故人の貴重なメッセージをこれからの人生に生かし、前向きに生きることを祈っています。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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怒りは治癒のプロセスにとって必要な段階のひとつである。だから、
たとえ怒りが永久につづくように感じたとしても、自分の怒りを存
分に感じ切ったほうがいい
悲しんでいる人にたいするほとんどの人の最初の反応は、その人を
元気づけ、ものごとの暗い面ばかりをみずに人生のあかるい面に目
を向けるように忠告することだろう。「励まし反応」ともいうべき
この反応は、じつは励ます人自身の必要から生じた表現であること
が多く、いつまでも悲しんでいる人を寛容にあつかうことのできな
い、いわば励ます人自身の能力の限界の反映でもある。
悲嘆のさなかにある人には自己の悲嘆を味わいつくすことが許され
るべきであり、黙ってその人のそばに寄り添う人こそが、そんなと
きに歓迎される人である
感情に休息を与えるためには、ものごとをあるがままに受容しなけ
ればならない
涙は悲しみをやわらげるためにあるたくさんの方法のひとつ、つま
り、われわれに備わっている数多くのすばらしい治癒システムのひ
とつである。ところが不幸なことに、この必要かつ重要な感情の放
出を、われわれは押さえつけようとすることが多すぎる
人間の手には負えない状況というものがあり、そこでなお「自分が
……していれば」と考えるのは傲慢の変種ともいえる。ある人が死
に、ある人が生きている理由は、人間が問うべき問いではない
孤独は必ずしも人生の障害にはならない。むしろ、それは人生に不
可欠な通過点である
人間は非現実的な空想のなかで、生じた事態の内容を思うままに変
えることができる
愛する人の自殺によってうけた苦しみが癒えるプロセスは複雑であ
る。重要なのは、悲しみを乗りこえようとするまえに、まず罪悪感
の解消につとめることだ
逆境だけが人をつよくする。人生は困難であり、人生は苦闘である
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『永遠の別れ―悲しみを癒す智恵の書』
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■目次■
読者へのおぼえがき
まえがき 「わたしは終わったの」
序文 予期された悲嘆
第1章 悲嘆の五段階
第2章 悲しみの内側
第3章 悲しみの外側
第4章 特殊な喪失体験
第5章 変わりゆく悲しみの顔
第6章 エリザベス・キューブラー・ロス 私自身の悲嘆
第7章 デーヴィッド・ケスラー 私自身の悲嘆
結びのことば 悲嘆という贈り物
謝辞
こころを前に進めるために……訳者あとがき
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