2010年4月10日
『本質をつかむ思考法』伊藤真・著vol.2090
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【司法試験のカリスマ、伊藤真が教える「疑う」技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806136336
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本日の一冊は、司法試験指導のカリスマであり、通称「憲法の伝道師」、伊藤真さんによる思考レッスン。
『本質をつかむ思考法』という骨太なタイトルにひかれて手に取ったものの、最初の60ページぐらいは正直、退屈な内容でした。
しかしながら、第2章「あらゆることを『疑う』」を読んだ瞬間、本書のイメージは一変。
そこには、政治家やメディアが知られると困る、「疑う技術」が書かれていました。
・「ビッグワード(大きな言葉)」には注意が必要
・同じ言葉でも「発言者」によって意図が違う
・言葉そのものに目を向けて、概念を疑ってみる
・数字を見るときには、つねに「母集団」を意識すること
これらの原則を知っていれば、政治家によるスローガンやメディアによる扇動、不誠実な金融業者による売り文句を避け、本質を見極められるようになります。
例として挙げられている「lawyer」と「弁護士」の違い、冤罪の話なども、本質を見極めないと道を誤る例として、じつに有用。
3章で述べられている、「『知識・感情・意欲』をバランスよく育てる」という話も、腑に落ちました。
とくに、体験することで「情」を育成するという話は、いまの社会にもっとも欠如しているところではないでしょうか。
頭でっかちな思考法の本は数あれど、本書のように「知・情・意」のバランスがとれた思考法の本は珍しい。
問題解決力を高めるために、そして社会で貢献できる人になるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「正解を求めるクセ」をやめる
「考え続ける」とは、「『ベターな答え』を出し続ける」ということ
ベストな答えを出すことばかりを求めてしまうと、失敗することにものすごい恐怖を覚えます
「考える」とは対象となる物事や人を一面的に見るのではなく、多面的、立体的に見ていくこと
私たちが「自分」という視点から離れることはとても難しい
第三者の視点をもつには「伝えること」を想定する
「時間軸」を移動させることで真相が見えてくる
予測する「未来像」は決してひとつにとどめないこと。複数の可能性を想定することが重要です
政治家や経営者など、権力をもっている人々がスローガンとして使う「ビッグワード(大きな言葉)」には注意が必要
同じ言葉でも「発言者」によって意図が違う
言葉そのものに目を向けて、概念を疑ってみる
◆古代ギリシアで行なわれていた「民衆による裁判」
被告が無実であっても、民衆がわあっーと盛り上がれば死刑にされてしまう、まさに「世論で殺す」という状況です。
ソクラテスが「青少年を堕落させた」というかどで死刑宣告を受けたのも、この民衆による裁判でした
みんながいいと思うものこそ、立ち止まって考えてみる
数字を見るときには、つねに「母集団」を意識すること
◆アメリカの「lawyer」100万人、日本の「弁護士」1万2000人の真実
日本では英語の「lawyer」を「弁護士」と訳しますが、実は、アメリカでいう「lawyer」と日本でいう「弁護士」とは、まったく違う概念なのです。アメリカで「lawyer」は弁護士だけではありません。
「行政書士」も「弁理士」も「税理士」も「司法書士」もみんな「lawyer」と呼びます。企業の法務部で働く社員も「lawyer」に含まれます
「知識・感情・意欲」をバランスよく育てる
直接、体験しなければ「情」は育成されない
文字を読まず、映像にばかり頼ってしまえば、想像力は鍛えられません
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『本質をつかむ思考法』中経出版 伊藤真・著
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◆目次◆
序 章 あなたは思考停止に陥っていませんか?
第1章 つねに「視点」を移動する
第2章 あらゆることを「疑う」
第3章 「知識」と「感情」を融合させる
第4章 考え続けるにはどうすればいいか
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