2012年4月29日
『新版キャリアの心理学』渡辺三枝子・編著 Vol.2839
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【キャリア支援のための学術理論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/477950175X
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働く人の悩みが増えるなか、コーチングやキャリアカウンセラーなど、個人のキャリアを支援するアドバイザー的職業が増えています。
土井も出版コンサルティングを通じて、キャリアアドバイスを求められることがあり、そのうちきちんとした学術理論を学びたいと思っていました。
本日の一冊は、そんなにわかキャリアカウンセラーのニーズに応えてくれる、じつに便利な一冊。
ライフ・スパン/ライフ・スペースという概念を用いて個人のキャリアの発達を説明したドナルド・スーパーや、著書『その幸運は偶然ではないんです!』が話題となったジョン・クルンボルツ、「組織心理学」「キャリア・アンカー」の提唱者、エドガー・シャインなど、9名の学者の理論が紹介されています。
※参考:『その幸運は偶然ではないんです!』
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※参考:『キャリア・アンカー』
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読むことで、キャリアの心理学がどう発展してきたのか知るとともに、個人のキャリア開発に使えそうな理論をいくつも学ぶことができます。
理論をどうカウンセリングに生かすか、という視点も示されているので、キャリア支援に携わる方、上司は読んでおくといいでしょう。
学術書特有のまわりくどさや抽象的表現が玉に瑕ですが、読むといろいろと発見があります。
キャリアに悩む個人にも、おすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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キャリア自己概念に関してスーパーの造語を紹介しておきたい。その1つは「職業的語り」(occutalk)という言葉である。たとえば、「私は大工になりたい」というのがその例である。スーパーは、この表現を単に希望職業を述べているだけではなく、自己概念を表現していると解釈する(中略)「大工になりたい」は「あの人のようになりたい」と同じことを意味しているかもしれない。この場合、希望職業は同一視する大人のモデルを指しているのである
スーパーは、生涯を通じた一連のライフ・ステージをマキシ・サイクルと呼び、成長段階(0~14歳)、探索段階(15~24歳)、確立段階(25~44歳)、維持段階(45~64歳)、解放段階(65歳以上)という5つの段階で構成されているとしている
我々の文化圏において、大多数の人は、現実型、研究型、芸術型、社会型、起業型、慣習型の6つのパーソナリティ・タイプのうちの1つに分類され得る
スキナーは、自発された行動がそれに後続する事態によって獲得・維持されていく過程をオペラント条件づけと呼び、パブロフの条件反射にあたる条件づけ(=レスポンデント条件づけ)と区別をした。オペラント条件づけは、弁別刺激→反応→強化子という3項の関係(=3項随伴性)から成立すると考えられている
行動の先行要因としての予期は、大きく2つに分類できる。1つは自分の行動がどのような結果をもたらすかという結果予期である。もう1つは、自分が適切な行動をうまくできるかどうかの効力予期である。この効力予期を自己効力と呼ぶ
従来の「決定」や「一致」を重んじるアプローチに対して、クルンボルツが近年提唱している概念が「計画された偶発性」である。これは、「予期せぬ出来事がキャリアの機会に結びつく」というものである
◆8つのキャリア・アンカー ※一部紹介
1.特定専門分野/機能別のコンピテンス
3.自律/独立(自由)
4.保障/安定
5.起業家的創造性
7.奉仕/社会献身
8.生活様式
◆転機を乗り越える能力に影響を及ぼす4つのS
1.Situation(状況)
2.Self(自己)
3.Support(周囲の援助)
4.Strategies(戦略)
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『新版キャリアの心理学』渡辺三枝子・編著 ナカニシヤ出版
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◆目次◆
まえがき-改訂にあたって
序 章 キャリアの心理学に不可欠の基本
第1章 ドナルド・スーパー:
自己概念を中心としたキャリア発達
第2章 ジョン・ホランド:
環境との相互作用によるキャリア行動の発達
第3章 ジョン・クルンボルツ:
学習理論からのアプローチ
第4章 ハリィ・ジェラット:
キャリア発達における意思決定
第5章 エドガー・シャイン:
組織内キャリア発達
第6章 ナンシィ・シュロスバーグ:
人生上の転機(トランジション)とその対処
第7章 ダグラス・ホール:
関係性アプローチ
第8章 サニィ・ハンセン:
統合的キャリア発達
第9章 マーク・サビカス:
キャリア構築理論
第10章 新しい潮流:
カオス理論の応用
結び:外国で育った理論の理解の困難さを再認識
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