2012年3月30日
『新・幸福論』五木寛之・著 Vol.2809
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【五木寛之氏による幸福論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591126951
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最近は、ショーペンハウアーの『幸福について─人生論』はじめ、幸福論が流行っていますね。
※参考:『幸福について─人生論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102033017
ちなみに、世界には「三大幸福論」というものがあり、それは以下の3つです。
ヒルティ『幸福論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003363833
アラン『幸福論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087520374
ラッセル『幸福論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003364937
本日ご紹介する一冊は、直木賞作家であり、数多くのベストセラーを出している五木寛之さんが、独自の視点から幸福を論じた一冊。
「青い鳥の去ったあと」ということで、気づいた時には青い鳥が飛び去ってしまっていた私たち日本人が、これからどうやって幸せに生きていけるのか、そのヒントを示した一冊です。
幸福の国ブータンの幸福論、金子みすゞが指摘した幸福の残酷な真実、『青い鳥』のお話の本当に意味するところ…。
作家らしい切り口で、幸福の真実を明らかにしていく手腕は、さすがといったところです。
これからの生きにくい社会を幸せに生きていくために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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漠然とした不安感というのは、じつに厄介なものです。それは時として人を自殺に追いこむこともある。芥川賞にその名を残す小説家、芥川龍之介は昭和二年に睡眠薬自殺をとげました。その手記のなかにあった、「ぼんやりした不安」という言葉は、いまも人びとの記憶に重苦しく残っています
「諦める」という言葉を、私は「明きらかに究める」と解釈してきました。はっきりと目をそらさずに事実をみつめる。「覆水盆に返らず」と、昔の人は言いました。こぼれた水はふたたび容器にもどすことはできない、という中国の諺です。私たちはこれからずっと汚染された国土に生きていくのです
「絆」という字は、動物に縄をかけて拘束するという意味からきているらしい。そう聞くと、ちょっと見は美しく思われる「絆」にしても、どことなく息苦しい感じがしないでもありません。しかし、いま世の中は「絆」をつよく求めているようです
人間はほかの生命を殺さずに生きていくことはできません。これは残酷な真実です
人はすべて、なにがしかのうしろめたさを抱いて生きざるをえない。それが真実です
幸福であるためには、目をつぶらなくてはならない部分がある
「祭り」の背後に「とむらい」を感じていたのでは、祭りに参加できません
「生存悪」とでもいうべきものを背おいつつ、私たちはどうすれば幸福を感じることができるのか。それが二十一世紀の私たちの最大の課題ではないかと思うのです
人はいつか真実に気づく。しかし、気づいたときにはもうおそい。「青い鳥」はすでに飛び去ってしまったのですから
孤独でなくなることは、同時に関係した相手たちと、やがて別れることになる
あるのは、上流と下流という、露骨な二分社会
「われわれの幸福の九割までは、もっぱら健康に基づいている」(ショーペンハウアー)
昔のことわざに、「家貧しくして孝子顕わる」という言葉がありました
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『新・幸福論』五木寛之・著 ポプラ社
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◆目次◆
幸福と不幸のあいだに
幸福の向こうに見えるもの
青い鳥の去ったあと
目に見えない世界の真実
新しい階級社会での幸福
努力して幸福になれるか
出世と幸福の関係
長寿は幸福か
絶望のなかの小さな幸福
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