『悩めるアメリカ』実哲也・著


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【超大国アメリカの現実とは?】
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本日紹介する一冊は、かつて日本経済新聞社のワシントン支局長を務めた著者が、現在の米国の現状をレポートした、貴重な一冊。

最近は、『ルポ貧困大国アメリカ』や『超・格差社会アメリカの真実』など、、アメリカの現実をレポートした本が目立ちますが、本書はそのなかでもバランスのとれた一冊だと思います。

※参考:『ルポ貧困大国アメリカ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004311128/

※参考:『超・格差社会アメリカの真実』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482224542X/

雇用の問題、不法移民の問題、医療保険の問題など、影の部分を報じる一方で、人口の増加や、衰えぬ起業意欲など、光の部分にも注目しており、今後のアメリカを考えるいいヒントになります。

グリーンスパン、ハンチントン、クルーグマンなど、著名人のコメントも引きながら書かれているあたりは、さすが日経のワシントン支局長。

リアルな取材に基づくルポは、もちろん現実の一部を切り取っただけのものではありますが、マクロな統計ではわからない、市民の声や「不安」を伝えてくれます。

今後、アメリカはどこに向かうのか、帝国崩壊はありうるのか、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆アメリカが抱える3つの不安
1.安全に対する不安 2.暮らしの不安 3.社会の変容に対する不安

中間層の苦境をグローバル化のせいにして、モノや人、カネの行き来を制限すれば、米国の繁栄は維持できないという危機感もビジネス界を中心に高まっている

政治家は世論に左右されやすく、メディアは戦況の厳しさや米軍兵士の悪行など、悪い話だけ報じたがる。それらは、ベトナム戦争の
時と全く同じに見える

あわてて撤退することで、イラクをはじめとした中東地域をもっと不安定にしてしまえば、米国の安全はもっと脅かされるのではないか

世界でいちばん医療費を使っている国なのに、国民の寿命は決して長くない。新生児の死亡率は日本の三倍で、先進国ではびりから二番目

全米でも雇用の創出役が中小企業、とくにサービス業に移ってきている

宗教の自由を大事にする米国で、イスラム教徒全体を敵と見る政治家はいない。だが、米国の「敵」を定義する中で、イスラム教に言
及する人は増えている

今、米国をたたこうとしているのはテロリスト集団という非国家のグループだ。支持者の間でネットワーク拠点を持つこうした勢力との戦いでは、軍事力より、テロ支持層の心をつかみ、テロリストから離反させることのほうが重要だ。それなのに、民主主義とそうでない力との世界的な戦いに祭り上げてしまったことで、イスラム教徒たちに自分たちが狙われたという思いを抱かせて、心をむしろ遠ざけてしまった

アウトソースド(outsourced)――。今ではこんな英語が普通に使われている。企業が仕事を海外に移したために、首になることを指す

米国生まれの人々の間では、お金持ちの子息ほど大学入学では優位にたつという認識が広がっている

「新しい発明と歩調を合わせて人々の技術的能力が高まるわけではない。低い技能しかない人は賃金が低下し、高技能の人は給与が大幅に上がっている。だがこれは民主社会にとっては危険な傾向だ。富が公平に分配されていると人々が思わなければ、資本主義やそれを支えるさまざまな制度への支持も得られないからだ」(グリーンスパン)

米国経済の活力の源泉である起業も衰えていない。米中小企業庁の年次報告書である「ザ・スモール・ビジネス・エコノミー」(〇七年一二月発表)によると、二〇〇六年に生まれた企業の数は六十四万九千社。これは九〇年代のピーク(九六年の五十九万七千社)を上回る数字だ

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『悩めるアメリカ』日本経済新聞出版社 実哲也・著
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◆目次◆

はじめに
序 章 再び、素朴な疑問
第1章 現場力再考
第2章 現場力強化の最前線
第3章 組織の「くせ」づくり
第4章 「見える化」はなぜ機能しないのか
第5章 現場力強化の論点
第6章 根源的組織能力としての現場力
おわりに
参考文献

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