『大丈夫、なんとかなる。』澤上篤人・著 Vol.2851


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【賢く、軽快に生きるために。】
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本日の一冊は、スイスの名門プライベートバンク、ピクテの日本代表の座を捨て、1999年に日本初の独立系ファンド「さわかみファンド」を立ち上げた澤上篤人さんが、人生設計全般を語った一冊。

さまざまな経済危機を乗り越え、順調に純資産総額を伸ばしてきた「さわかみファンド」。その投資方針のブレのなさには定評がありますが、やっている本人の生き方にもブレがない。

本書のなかで、著者の思想が垣間見える部分をまとめて抜き出してみましょう。

「自助努力を重ねるのは当たり前」
「人生できる限り単純に、すっきりと生きていこう」
「自分の願う方向で事業を展開している企業を応援」
「人のため世のためにお金をつかう」
「実力者になればいい」
「あえてリスクを取りに行くのが事業の醍醐味」
「生きていくためには、勝たなければならない」
「入るを計るよりも、出ずるを制す」

ストイックな私生活と、一転、リスクを取る社会のための投資活動。それが長期的に富を生むことを、著者は説いています。

また、電気代の節約といった小さな話から、生命保険、住宅ローンの注意点、また財産防衛、キャリアのヒントまで、実践的な内容も、幅広くアドバイスしています。

興味深かったのは、スイスの銀行の日本代表をしていた頃、500万円貯まったと言って喜んでいた50歳ぐらいのおじさんと飲みに行った話、そして著者が付き合っていた、ヨーロッパの大金持ちのお金の使い方に関するエピソード。

これを読めば、彼らが「倹約」→「貯蓄」→「投資」→「社会貢献」という流れに従って生きていることがよくわかります。

怠惰な生活とは無縁、あぶく銭を狙うのではない、潔い生き方。

サブタイトルにある「軽やかな生き方」の意味が、よくわかりました。

今後の日本経済の方向性と、資産運用のポイント、われわれがどう生きていけばいいかのヒントが、まとめて得られる一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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自助努力ってなにかって? 「頑張れば、必ずなんとかなる」と信じて、とにかく前向きに生きていくことよ。その上で、自分もまじめに働くが、自分のお金にもゆっくりと働いてもらって経済力を高めていく。これに尽きる

夜間の電気料金が安くなる契約方法があるのは知ってるかい?電力会社によってサービス内容が異なるけど、大体夜11時から朝7時までの電気料金が半分以下になる。ただし、それ以外の時間帯の電気料金が割増になるから、上手につかわないといけないが、そのサービスを利用し、朝7時までに洗濯などを終えてしまえば、電気代は相当に浮く

「こんな社会に住みたいな」「こういった世の中を子どもや孫達に残してやりたいものだ」と強く思い願う方向へ、お金をどんどんまわしていくのが長期投資家の本分である

人々がお金をつかったら、新しい産業が生まれた

長期投資家は、生活に欠かせない企業の株に、株価暴落時などには断固たる応援買いを入れる。たったそれだけのことで、安く買うという投資の基本が自動的にできてしまう

投信を購入したお金は信託財産として管理されるから、はじめから終わりまで投資家の財産として法的に守られる

日本に多い保障と運用とを抱き合わせにした保険商品は、見えないコストが結構かかって割高

いまの間に住宅ローンを固定にしてしまえば、将来にわたってこの異常なまでの超低コストを享受できるのだ。この有利さをつかわない手はない

発想を根本的に変えて、現役の間はずっと賃貸住宅でいくとしよう。マイホーム取得は引退してからだ

なかには、8時間の就業時間内にテキパキと仕事を片付けてしまう人もいよう。しかし、それは今日やるべき仕事を効率よくこなしているだけだ。せいぜい有能なる事務処理屋にすぎない。(中略)これからの企業では、どんどん新しい仕事をつくっていけるぐらいの人間にならなくては、会社が必要とする実力者とはいえまい

一時的にしろ貧しい生活を経験するのも、家族の団結を強める一法と思ったりもしている

これから5年ぐらいの間に、日本の雇用環境はびっくりするほど変わるよ。非正規は不利で正社員なら安泰という現在の図式が、根っ子から崩れてしまうだろうね。おそらくだが、日本の労働行政は抜本的な見直しを迫られると思う

なんとも不甲斐ない日本の政治ではあるが、国には徴税権と印刷権という独占的な権限がある点は忘れまい

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『大丈夫、なんとかなる。』澤上篤人・著 朝日新聞出版
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◆目次◆

第1部 お金や将来のこと
第2部 仕事や暮らしのこと
第3部 経済や社会のこと

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