『動物が幸せを感じるとき』 テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン・著 Vol.2732


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【動物行動学で学ぶマネジメント】
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本日の一冊は、コロラド州立大学教授で、自閉症の動物学者、テンプル・グランディンによる全米ベストセラーの邦訳。

「絵で考える」という独特の資質を生かして動物の通訳を行う著者が、動物と接する方法を考察した一冊で、マネジメントにも通じる大事な考え方が示されています。

「探索」「怒り」「恐怖」「パニック」といった、動物と人間に共通する情動システムを紹介し、どんな環境を整備すれば動物が幸せになるか、どう接すれば動物の生産性が上がるか、解説しています。

・どんなにすばらしい環境でも、閉じこめられれば抑圧になる
・刺激の乏しい環境におかれると、「探索」システムが異常に活発になる
・「待て」と「おあずけ」を教える
・学び方を学習すると、自分から行動するようになる

いずれも動物の話ではありますが、職場でのマネジメントや家庭教育のヒントとしても読むことができます。

動物によって個体差はあれど、求めている「幸せ」の本質は同じ。

まさか、動物からマネジメントのヒントをいただくとは思ってもいませんでした。

読み物としても、じつに読み応えのある一冊です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何かを手に入れたいという「探索」の情動は、目標を達成する原動力になる

人はなじみのあるものにも好奇心をもつことがあるが、興味があるのは自分がまだ知らない面だけだ

パンクセップ博士によると、「怒り」という情動は、捕食者につかまって身動きできなくなった経験から進化した。「怒り」は、敵につかまった動物に爆発的なエネルギーを与える。猛烈にもがき、相手が手をゆるめたすきに衝撃を与え、逃げおおせるのに必要なエネルギーだ

どんなにすばらしい環境でも、閉じこめられれば抑圧になる。すきがあれば、すぐに逃げ出そうとする動物は少なくない

刺激の乏しい環境におかれると、「探索」システムが異常に活発になるのではないだろうか

オオカミの子どもは、人間の子どもと同じように攻撃と服従の行動を発達させる。オオカミも人間も、幼いうちは相手にそれほど大きな損傷を与えることができないので、おとなより乱暴にふるまえる。まず攻撃の行動を発達させて、身を守る方法を身につけるのだ。次に服従の行動を発達させ、もっと年をとって体が大きくなると、ほかの若者やおとなとの争いに立ち入らない方法を身につける

私も、家に閉じ込められた犬が、外に出ようとして扉や窓のブラインドをかじっているビデオを何度も見たことがある。飼い主が家にいるときに、そんなことをする犬はいない。家具をかじる原因は分離不安だ

子犬に欲求不満を我慢させる訓練でいちばんいい方法は、マッコネル博士によると、「待て」と「おあずけ」を教えること

野生の動物を訓練するには、正の強化を使うしかない

「恐怖」システムは「怒り」システムを活性化することがある

報酬になるのは、その物自体ではなく、それを期待している時間だ

正の強化を使えば、動物は突然「わかる」―何かをしたらいいことがあると気づく。これは、動物心理学者の用語で「学び方の学習」と言う。動物は学び方を学習すると、自分から行動するようになる

善良な畜産従事者の牛は、乳の生産量や体重、生まれる子牛の数が多い

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『動物が幸せを感じるとき』 テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン・著 NHK出版
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◆目次◆

1.動物の幸せ
2.犬
3.猫
4.野生の動物
5.動物園
6.馬
7.牛
8.豚
9.ニワトリ

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