2009年2月26日
『俺は、中小企業のおやじ』鈴木修・著
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【経営者は、涙なくして読めない】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314380
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本日の一冊は、徹底した現場主義で知られるスズキの代表取締役会長兼社長、鈴木修さんによる待望の著書。
社長就任時に売上3232億円だったスズキを、30年間で3兆円企業に育て上げた、骨太の経営哲学が、ユニークなエピソードとともに語られる、じつに読み応えある一冊です。
もちろん、現在の世界不況の打撃は、スズキにも及んでいるわけですが、本書を読む限り、そんな様子はみじんも感じられません。
むしろ、この30年の間に、苦境など何度も経験している。今回も同様に立ち向かうだけだ、という著者の心意気が伝わってきて、読んでいるこちらが励まされる、そんな内容に仕上がっています。
カリスマ社長の本、ということで広く話題を呼ぶ本だとは思いますが、本書は、気骨ある中小企業の経営者、あるいは起業家にこそ読んでいただきたい。
社長自らが最前線で戦うことの意味、苦労しても一から育て上げるメリット、そして恩を受けた方々に事業でどう報いるかという視点。
小利口な経営ではなく、あえて泥まみれになって戦う著者の姿に、きっと感銘を受けるに違いありません。
また、不治の病により後継者を失った哀しみや、人の縁で救われた話など、これはもはや単なる経営書を超えた、ひとつのドラマです。
本作りに関しても、生産の仕組みがひと目でわかる図表や巻末の社長語録、年表など、編集者の心意気を感じる丁寧な編集がなされており、生涯大切にしたい一冊です。
経営者は、一人一冊、必ず買って社長室に置いておきましょう。
久々に読み応えのある一冊でした。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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杉の木は生長が速いため、雪の重みに耐え切れないのでしょう。しかし、一定の間隔で節がある竹なら、簡単には折れない
こういうときには、外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか、そんなことをしてはいかんのです。それは生産が増えているときにすることです。いまみたいなときは、内なるコスト削減、すなわち、おのれのマイナスをいかに減らすかに努力する。材料の質を落とすのではなく材料そのものを変えたり、不良率を減らす
私は、アルトをあえて「乗用車」のカテゴリーにせず、後部に荷物を置くスペースを広くとって「商用車」として売り出すことに決めました(中略)一見、乗用車に見えるアルトの内部は、荷物を置くスペースを広くとっています。農作物の出荷や酒屋さんのちょっとした配達にも使える、乗用・商用兼用の仕様です
人間誰でも同じでしょうが、自分より格上のものの存在がどうしてもおもしろくないのです。そこで私は、アルトの等級をやめて一本化することにしました
人は往々にして1つのポケットにすべてのカネを突っ込んでしまいます。すると、他人に支払わなければいけない原価の分まで儲かっているように錯覚してしまい、失敗するのです
1位と2位が本気で戦いはじめると、3位以下のメーカーなんて木端微塵に吹き飛ばされる(中略)やはり小さな市場であってもナンバー1になることが大切
新しいデザインが、余分な仕事を増やし、品質を落とすことにもつながりかねないということをしっかりと肝に銘じておくべき
ケチケチせずに最高の人材を雇えば、その見返りは大
ボトムアップはコストアップ。トップダウンはコストダウン
ハンガリーの大蔵省に勝手に運び込み、マフラーから、鉄板を打ち抜いたボディー部品までをずらりと赤じゅうたんに並べました。並んだ部品のうち、日本から持ち込んでいる部品には赤い丸をつけ、残りは「すべてハンガリー製ですよ」とアピールした
◆スペイン撤退の教訓
1.いろいろ手間がかかっても一から自分でつくりあげたほうが、
いい結果が出る
2.手離れの悪さが、事態を悪化させる
いまから思えば、アメリカへ出張に行く前に帝国ホテルを訪れたのが運命の分かれ目でした。あのまま一行に会わずにデトロイトに出かけていれば、彼らもスズキに興味を持たず、別のパートナーを選んだはずです。けれど、私が直接出向いて熱心に話したから、スズキに関心を持ってくれた
たとえ小さな規模でも、強い個性や特色を備えた商品で、きわめて高い市場シェアを持つ会社こそが大企業
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『俺は、中小企業のおやじ』日本経済新聞出版社 鈴木修・著
<4532314380″>http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312159
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◆目次◆
序 章 いまが最大の危機
第1章 ピンチをチャンスに変える
第2章 どん底から抜け出す
第3章 ものづくりは現場がすべて
第4章 不遇な時代こそ力をためる
第5章 トップダウンはコストダウン
第6章 小さな市場でもいいから1番になりたい
終 章 スズキはまだまだ中小企業
あとがき
鈴木修語録
年譜
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